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特集“速度”と“機能”で比べる最新ブラウザー

Windows 10最新ブラウザー徹底比較

2016年09月29日 11時00分更新

文● 田口和裕 編集● 盛田 諒(Ryo Morita)

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お客さま、お好きなブラウザーをどうぞ

世界では「Chrome」が圧倒的No.1

 ウェブサイトを見るのはスマホという人も増えてきた昨今。だが、ビジネスはもちろん、まだまだPCブラウザーを手放せない人は多いだろう。

PC用ブラウザー世界シェア
1位 Chrome:58.37%
2位 Firefox:13.92%
3位 IE:9.8%
4位 Safari:9.61%
5位 Edge:2.87%
6位 Opera:1.78%

出典:Statcounter(2016年8月現在)

 PC用ウェブブラウザーのシェアは2012年にIEを抜いてからGoogleの「Chrome」が突出しており、事実上の寡占状態にある。実際Chromeはいいブラウザーだ。表示も早いし拡張機能も充実している。筆者もここ数年はほぼChromeしか使っていない。

 だが、本当にChromeが一番なのか。他のブラウザーはダメなのか? 5種類のPC用ブラウザーを“速度”“機能”の2面で比較し、性能の差をたしかめてみよう。

比較したウェブブラウザー5種類

Chrome
バージョン 52.0.2743.116 m (64-bit)

 Googleが開発し2008年12月に公開を開始した比較的新しいブラウザー。圧倒的な画面表示速度を武器として、瞬く間にシェアを伸ばし、長期間トップだった「Internet Exploler」(IE)を抜き去って2012年にシェアトップとなった。モバイルブラウザの分野ではAndroidのデフォルトブラウザーとなっているため、PC以上に寡占状態にある。

 初期はアップルが中心となって開発したHTMLレンダリングエンジン「Webkit」を使っていたが、現在は独自開発の「Blink」を使用。

https://www.google.com/chrome/

Internet Explorer
バージョン11.545.10586.0

 以前は圧倒的なトップシェアを誇っていた、Windows 8.1までのデフォルトブラウザー。Windows 10からは後継の「Edge」にその座を譲り開発は終了したが、互換性維持のためにWindows 10にも引き続き搭載されている。

 HTMLレンダリングエンジンには「Trident」を使用。

https://www.microsoft.com/ja-jp/download/internet-explorer.aspx

Microsoft Edge
バージョン 25.10586.0.0

 マイクロソフトがIEの後継として2015年に公開した新しいブラウザー。デスクトップ版・モバイル版Windows 10のデフォルトブラウザーだ。

 HTMLレンダリングエンジンにはIEで使用されていた「Trident」(MSHTML)を元にした「EdgeHTML」を使用。ActiveXやVBScriptなど古い技術への対応は終了しているが、IEと比べて大幅に動作が向上しているといわれる。

https://www.microsoft.com/ja-jp/windows/microsoft-edge

Mozilla Firefox
バージョン 48.0.2

 Mozilla Foundationが開発しているオープンソースのブラウザー。2004年に最初のバージョンが公開された。登場時は目新しかったタブブラウザー、カスタマイズできるツールバー、豊富なアドオン(拡張機能)などが特徴。ヘビーユーザーに愛用者が多い。

 HTMLレンダリングエンジンには「Netscape」の流れを汲む「Gecko」を使用。

https://www.mozilla.org/ja/firefox/new/

Vivaldi
バージョン 1.3.551.38

 Vivaldi Technologiesが提供する、2016年に4月に正式版が公開された最新ブラウザー。「Opera」ブラウザーを提供するOpera SoftwareのCEOだったヨン・スティーブンソン・フォン・テッツナーが、マウスジェスチャーの廃止など主に最近のOperaに不満をもつ利用者を対象に開発したもの。

 HTMLレンダリングエンジンには「Chrome」や現行の「Opera」と同様Blinkが利用されているが、独自開発の可能性も視野にいれているという。

https://vivaldi.com/?lang=ja

 なお「Safari」はWindows版の開発を終了しているので今回は対象外とした。また、「Opera」の代わりにOperaの元CEOが手掛ける最新ブラウザー「Vivaldi」を入れている。

ブラウザーコラム
Internet Explorerが強い!? ホワイジャパニーズピーポー!

 ブラウザーで見ると日本は世界の中でとても特殊な国だ。直近3ヵ月のシェアを見ると、PC用ブラウザーではいまだにInternet Explolerが強い。2015年にはChromeに抜かれてしまいEdgeが伸びてきた反動で大幅に落ちてきているものの、いまだFirefoxに対してはリードを保っている。

日本ブラウザーランキング
1位 Chrome 38.92%
2位 Internet Explorer 24.52%
3位 Firefox 16.24%
4位 Safari 11.95%
5位 Edge 4.48%
6位 その他 3.89%

出典:Statcounter(以下同)

 背景として日本ではいまだに企業にIEが支持されている面が強い。法人向けグループウェアを開発する日本トータルシステムの調査によれば、同社グループウェア利用者のうちIE利用者は55.4%。Windowsシステムを安定的に動かせるレガシーな基盤が評価されているのだ。

 ではスマートフォン、モバイルの世界ではどうなのか。同じく直近3ヵ月のデータを参照してみると、やはり日本の特殊さが浮き彫りになってくる。

日本モバイルブラウザーランキング
1位 Safari 67.92%
2位 Chrome 18.5%
3位 Android 7.31%
4位 Samsung Internet 2.91%
5位 UC Browser 0.81%
6位 Sony PSP Vita 0.52%
※7位以下省略

世界モバイルブラウザーランキング
1位 Chrome 38.63%
2位 Safari 18.69%
3位 UC Browser 14.46%
4位 Opera 10.87%
5位 Android 7.29%
6位 Samsung Internet 6.61%
※7位以下省略

 日本はSafari、つまりiOSが圧倒的に強い。iPhoneの強さを思い知らされる数値だ。

 Kanterによれば日本国内モバイルOS別販売台数シェアは2012年、iOSが73.9%という驚異の数値を出していたこともあった。ただし9月現在、実はすでにiOSはAndroidに逆転されている。iOSが今年6月時点で今年1月の50.3%から34.1%に落とす一方、Androidは48.7%から64.6%と上げているのだ。今後は世界のブラウザーランキングに近づいていくのかもしれない。

(文・編集部)

ブラウザー速度をベンチマーク計測

 まずは速度だ。ブラウザーの速度はウェブブラウズの快適さに大きく関わってくる。

 高速回線の普及とPC性能の向上により、昔のように「なかなか写真が表示されない」ということはさすがになくなった。しかし近年は描画にJavaScript(Ajax)を使った複雑なウェブサイトが多くなった上、以前は独立したアプリケーションソフトを使っていた作業をブラウザー上で実行するウェブアプリも日常的に使われるようになってきた。たとえばマクロやグラフ描画機能を備えたスプレッドシートや、巨大な画像データをハンドルするオンライン地図のように。

 そうなると単純な描画速度よりも、複雑なJavascriptの実行速度が求められるようになる。2種類のベンチマークソフトで、ブラウザーの真の実力を計測してみよう。

テスト環境
OS:Windows 10 Home
CPU: Intel Core i7-2640M 2.80GHz
RAM:8GB

※ベンチマークテストは実行するたび結果が微妙に変わるため、再起動をしながら3回以上実行し、最高値を取っています。また結果は筆者の環境で測定したものであり、絶対的な数値ではありません。ご留意ください

Octane2は「Vivaldi」が圧勝!

 初めに測ったOctane2は、Googleが提供するオープンソースベンチマークツール。「Closure」や「jQuery」といった一般的なJavaScriptライブラリはもちろん、3次元物理エンジンやゲームエミュレーターのように高負荷のプログラム、Mozilla「asm.js」、マイクロソフト「TypeScript」といった最新技術による17種類のテストを実行して、総合的なスコアを計測する。

「Octane2」スコア
1位 Vivaldi 21542
2位 Firefox 19433
3位 Edge 17686
4位 Chrome 17613
5位 IE 6549

 結果はなんと新鋭ブラウザーの「Vivaldi」が17項目中8項目でトップ、総合点でもトップになった。次点は「Firefox」、3位の「edge」と「Chrome」はほぼ同等の数値だ。高速ブラウザーというイメージのある「Chrome」と「Edge」だが、思わぬ伏兵が現れたようだ。

 なお最下位はダントツで「IE」。

JetStreamでは「Edge」がハイスコア

 2番目はJetstream。アップルのウェブブラウザー「Safari」で使われているHTMLレンダリングエンジン「WebKit」開発チームが提供しているベンチマークツールだ。Octane2で採用されているものも含めた39種類のテストを3回ずつ実行し、相乗平均(幾何平均)でスコアを出す。

「JetStream」スコア
1位 Edge 103.35
2位 Chrome 87.855
3位 Vivaldi 82.687
4位 Firefox 82.472
5位 IE 51.199

 結果は、Octane2で遅れを取っていた「Edge」と「Chrome」が面目躍如のハイスコア。特に「Edge」はレイテンシー(遅延)数値がずば抜けている。ストレスのないウェブブラウズが期待できる。逆に4位とふるわなかったのが「Firefox」。スループット(単位時間あたりに送信できるデータ量)はずば抜けて高いが、レイテンシースコアの低さが響いた。

 なお、最下位は安定の「IE」。

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