12月16日からドコモ、au、ソフトバンクと順次開始した「メール持ち運び」サービス。3社の回線契約を終了しても(ahamoやpovo、サブブランドに移行した場合を含む)、キャリアメールのアドレスをそのまま使い続けられるもので、政府の携帯電話値下げ要請の“総仕上げ”的なサービスと言える。では、実際に手続きはどうなのかを実際にドコモを解約して試した。
解約した後で申し込むのがキホンのサービス
ドコモ→ahamo、au→povoなどでも利用可能
今回のメール持ち運びサービスは、基本的に解約してから申し込みをする必要がある。3社ともに解約後31日間以内あることが必要な点は共通。料金はドコモとauが月330円、ソフトバンクが年3300円。ただし、ソフトバンクは来年夏頃に月額払い(月330円)にも対応する予定だ。
対応するキャリアメールのドメインはドコモは過去に「@docomo.ne.jp」しか提供してこなかったこともあり1つだが、auは「@ezweb.ne.jp」「@au.com」のどちらも対応、ソフトバンクやY!mobileは現在使っているもの以外に、ボーダフォンやウィルコム、イーモバイルなどさまざまなアドレスがそのまま利用可能だ。なお、UQ mobileは現時点では対応していない。
申し込みは、すべてオンライン経由となる。もともとキャリアメールがないMVNOの格安SIMやオンライン専業プランに移行するユーザーを想定したものと考えれば自然だが、今のドコモはドコモショップでエコノミーMVNO(OCN モバイル ONEなど)のSIMも扱っているため、店頭申し込みの方法がないのが残念なところだ。また、解約後の申し込みが原則だが、ドコモの通常契約からahamoに移行する場合はahamo移行タイミングに手続きをする必要がある。
サービスの申し込みが可能なのは各社とも解約から31日以内と書いたが、今だと持ち運びサービス開始前に解約しながら31日が経過していないケースもあるだろう。auは12月2日以降の解約には対応するとしている。
なお、ドコモとauは解約時点のメールアドレスから変更できない。ソフトバンクは来年夏頃に変更が可能になる予定とのこと。ドコモとauについては、今後も積極的にキャリアメールを使い続けるというよりも、すでに周知したメールアドレスを使いつづけるための保険的なサービスと捉えたほうがいいのだろう。
以下の表では、3社のキャリアメール持ち運びのサービスを比較した。基本的な差はないが、ソフトバンクだけ現時点で1年払いだけだが、システムが強化されるのか来年夏ごろに大きくバージョンアップしそうだ。
ドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
サービス名 | ドコモメール持ち運び | auメール持ち運び | メールアドレス持ち運び |
利用料 | 月330円 | 月330円 | 年3300円 (来夏以降、月330円も可) |
申込方法 | 解約後31日以内でオンライン (ahamoへ移行はahamo申込時) |
解約後31日以内でオンライン | 解約後31日以内でオンライン |
メールアドレス変更 | × | × | ○(来夏以降、可) |
メールアプリ (iPhone) |
標準「メール」アプリをそのまま利用可能 | 標準「メール」アプリをそのまま利用可能 | 標準「メール」アプリをそのまま利用可能 |
メールアプリ (Android) |
汎用メーラーを利用(ahamo契約者は「ドコモメール」も可) | 「auメール」 | 汎用メーラーを利用 |
汎用メーラーの利用 | ○ | ○ | ○ |
※ソフトバンクの設定はEメール(i)の場合、MMSは別途設定により利用可能
設定変更などは一切なしでそのまま使い続けられる場合もある
申し込みを済ませたら、次は必要な設定だが、基本的にはそのまま何もせずにメールが使い続けられることが多い。iPhoneの場合は、ドコモ/au/ソフトバンクともにiOS標準「メール」アプリでそのまま使える。機種を変えるなどした場合の再設定も、専用のウェブサイトにログインしてプロファイルダウンロードという解約前と同じ操作をするだけでいい。
Androidの場合は、ユーザーがIMAP対応のメールアプリを用意して設定するのがドコモとソフトバンク。auはIMAP対応メールアプリでもいいいが、2017年秋冬発売モデル以降のauスマホに入っている「auメールアプリ」ならそのまま使える。ドコモにも専用の「ドコモメール」アプリがあるが、このアプリはドコモ回線での利用が前提なので、実際に使えるのはドコモの通常プランからahamoに移行した場合のみとなっている。
なお、3社のキャリアメールは以前からIMAP対応をしているので、PCでキャリアメールを読むためにIMAP対応の汎用メーラーを使っていた人なら、そのまま設定を変えずに移行できる。
この連載の記事
-
第254回
スマホ
新規契約した電話番号なのに、知らない着信がたくさん……トラブルレスの電話番号を手に入れる方法 -
第253回
スマホ
低価格スマホのRAMは4GBと8GBで差があるのか? Redmi 12 5Gを両方買って試した -
第252回
スマホ
同じmineoやIIJmioでもネットワークによる違いはあるのか? 実際に試した -
第251回
スマホ
ソフトバンクで安く利用可能な折りたたみスマホ「motorola razr 40s」を格安SIMで使ってみる -
第250回
スマホ
IIJmioに登場した大容量50GBプランは得か損か? IIJmioの賢い使い方を考える -
第249回
スマホ
平日昼休みの通信品質5倍改善は実際どう? 20GBが最大6ヵ月、月990円も魅力のmineoを試す -
第248回
スマホ
クーポン一杯! 料金以外の特典が大きくてオトクなSIMを調べた -
第247回
スマホ
からあげクンを買ったらデータ通信がおまけ!? トッピングが楽しいpovo2.0の最近の状況を見る -
第246回
スマホ
2024年のモバイル業界 料金プランとスマートフォン販売はどうなるのか? -
第245回
スマホ
今の形のスマホ値引きは12月26日まで? 駆け込みで買ったほうがいい? -
第244回
スマホ
月2178円で30GB+通話定額付き! 日本通信SIM「合理的30GBプラン」に実際に加入、ホントに高コスパ? - この連載の一覧へ