昨今のスマホのように「指紋認証」で起動
BOOX Max 3の進化しているのは、パスコード認証以外に昨今のスマホ同様「指紋認証」で起動制御できることだ。ソニーのデジタルペーパーも、ソニーらしくフェリカで認証可能だ。法人用にそういう需要があるのか筆者には分からないが、何も持たなくてよい指紋認証に比べると多少野暮ったい感じだ。
ソニーのデジタルペーパーが、初代のDPT-S1から第二世代のDPT-RP1にモデルチェンジして筆者が一番がっかりしたのは、クラウド直接連携機能の消失と、内蔵microSDスロットがなくなったことだ。確かにレガシーなmicroSDスロットをなくす代わりに、クラウドサービスとの連携が充実されるなら理解できるが、そのどちらもがダウングレードしてしまったのには正直驚いた。
一方、今回のBOOX Max 3はさすがに内蔵microSDスロットはないが、Type-CコネクターのmicroSDカードリーダーが標準で付属する。このリーダーをBOOX Max 3の底面のOTG対応のType-Cポートに挿入することで、BOOX Max 3内部のデータと周辺のパソコンやスマホとのオフラインデータ交換を簡単にできるようにしてくれる。
BOOX Max 3のType-Cポートには、Type-C対応のUSBメモリーやプラグコンバータで中継したレガシーなUSBメモリーも接続可能だった。これなら大容量データのパソコンとの交換も簡単だ。またmicroSDカードを媒体にしなくても、両端がType-CプラグのケーブルでパソコンとBOOX Max 3を直結することで、パソコンとBOOX Max 3間のデータ交換はもっと簡単だ。
読者諸兄に、いまさら電子ペーパーの使い方に関する解説は釈迦に説法だと思うので、簡単にだけご紹介したい。BOOX Max 3もソニーのデジタルペーパー同様、PDFファイルやEPUBファイルを閲覧できる。もちろん、手書きスタイラスで校正などの追記もできる。見開きページや最大で、9ページの一覧も可能だ。
一般的なデジタルペーパーの機能はこれらに加えて、電子ブックのリーダーになることや、専用スタイラスペンによる手書きのレポート筆記やその切り貼り、コピー、レイアウト変更やまとめ。加えてそれらにさまざまな外部の写真や画像などを貼りこむことが要件とされる。
そういう環境であればこそ、Androidを採用したBOOX Max 3の能力は遺憾なく発揮される。まず、BOOX Max 3は標準付属の無料クラウドサービスである「ONYXアカウント」が、BOOX Max 3のデータバックアップや外部のクラウドサービスとの橋渡しをやってくれる。まずはWi-Fiの設定を行い、アカウント登録をしておこう。
そしてそれとは別に、ユーザーが独自で使用しているクラウドサービスのアカウントも紐づけできる。筆者は2TBの年間契約をしている、Dropboxを連携することとした。設定もきわめて簡単だ。自宅やオフィスのWi-Fiルータからネットに接続できるようになれば、いよいよBOOX Max 3の更なる拡張をやっていこう。
まずAndroidマシンであるBOOX Max 3は、ごく普通のスマホやタブレットのようにGoogle Playに接続ができる。初期値はGoogleアプリに、独自の最適化を行ったアプリをプールしてある専用サイト(アプリストア)がデフォルトになっているが、簡単な設定変更をして筆者は使いだした翌日からGoogle Playストアでアプリをダウンロードして使っているが、いまだに何の問題も起こってはいない。
まずは、自分にとって必要なアプリをダウンロードしよう。筆者はAmazon Kindleアプリ、Dropbox、Gboard、Gmail、エディターのJota+、SmartNewsなど、普段スマホでも使っている慣れたアプリをダウンロードした。ブラウザーは敢えて大袈裟なChromeを使わず、初期導入済みの軽くてシンプルな「ブラウザー」を使っている。
E Inkのレスポンスタイムには限界があるが、それでもKindle Paper Whiteでやるネットサーフィンより圧倒的に実用的、Gmailも同様だった。13.3インチE Inkなら使いたいSmartNewsも、インデックスページは多少圧縮の問題か画像データはきれいに見えないが、実際の記事はまったく問題なく大画面で普通に見ることができた。
BOOX Max 3には専用のBOOKSクラウドが用意されているが、筆者はKindleでも使っているのでAmazon Kindleアプリを導入してまったく同じ状態で使っている。やっぱり大画面で見るコミックは最高だ。
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