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業界人の《ことば》から 第332回

東芝の白物家電が2年で黒字に 中国企業の強み生かし拡大

2019年02月28日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII

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製品開発は国内、製造はアジア

 小林社長自身、1986年に東芝に入社して以来、約30年間に渡って家電の販売、企画などを担当。冷蔵庫、電子レンジからはじまり、さまざまな家電製品を担当。直近まではエアコン事業を統括してきた。「洗濯機以外のすべての製品を直接担当している」という東芝の家電を知り尽くした人物だ。

 現在、東芝ライフスタイルは19社のグループ会社があり、海外を含めて1万2500人の従業員数を持つ。役員構成を見ると美的集団から2人が役員に入るが、残りのすべては日本人で構成。

 製品は、愛知、高津(神奈川県川崎市)、新潟で開発し、製造は、日本、タイ、中国の同社拠点を中心に、今後は美的集団の世界各地の生産拠点も活用することになる。また、販売、保守は、東芝時代から継続して東芝コンシューママーケティングが担当している。

 「東芝の白物家電事業は、数々の第1号機を投入してきた経緯がある。そして、その中心にあったのは、『人々にすてきなくらしを』という思いであった。これは、美的集団のなかでも継続していくことになる。東芝のモノづくりのDNAを守りながら、開発からアフターサービスまで、家電を中心に取り扱っている」とし、

 「多様化している日本の消費者のライフスタイルにあわせた商品、サービスを提供し、お客様からしっかりと評価をいただけることが、今後の成長に直結する」と語る。

 さらに「美的集団は売上高の約8割が家電であり、メインが白物家電の会社のなかに入ったという点では、東芝時代とは立場が違う。成長のチャンスがある」とも語る。

 美的集団は中国の民営企業として、1968年にスタート。50周年を迎えている。売上高は約4兆1000億円。全世界20ヵ国の研究開発拠点、33ヵ国の生産拠点を持ち、約200ヵ国で展開。13万5000人の従業員が働くという。

 世界第2位の白物家電メーカーだからこそ、東芝ライフスタイルの白物家電事業を重視し、積極的に投資をすることになる。この環境は、東芝ライフスタイルにとって、プラス要素になる。

 一方で、「自立」にもこだわる。

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