このページの本文へ

日本MSがパートナー57社と「マイクロソフトサーバー移行支援センター」を設立

「Windows Server 2008」サポート終了後の延長セキュリティ、Azureなら無料、AWSは有料

2018年08月09日 11時00分更新

文● 羽野三千世/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本マイクロソフトは2018年8月8日、パートナー企業57社と連携し、2020年までにサポート終了を迎えるWindows Server 2008/SQL Server 2008のインフラ移行を支援する「マイクロソフトサーバー移行支援センター」を設立した。ユーザーの利用状況に応じて、(1)オンプレミス環境での最新OSへのアップグレードまたは延長セキュリティ更新プログラムの適用、(2)Azure IaaSの仮想マシンへのリフト&シフト(再ホスト)、(3)Azure PaaSへの移行(リファクタリング)の3軸で移行支援を行う。

「マイクロソフトサーバー移行支援センター」参加企業

 Windows Server 2008とSQL Server 2008はすでにメインストリームサポート(後継製品の発売から2年間)を終了して追加5年間の延長サポートの期間に入っており、延長サポートもWindows Server 2008は2020年1月14日に、SQL Server 2008は2019年7月9日に終了する。サポート終了後は、脆弱性の修正やセキュリティ更新プログラムが提供されなくなり、そのまま使い続けるとセキュリティやコンプライアンスのリスクが高まる。

日本マイクロソフト 業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部 本部長の浅野智氏

 同社 業務執行役員 クラウド&エンタープライズ本部 本部長の浅野智氏によれば、8月時点で、国内で稼働中のWindows Server 2008環境のサーバーは約54万台ある。その25%はファイルサーバー、52%はLoB(Webサーバー/データベース/アプリケーションサーバー)の用途で利用されているという。「25%のファイルサーバーは移行しやすいが、52%のLoBの移行は難しい。この52%の移行を支援していく」(浅野氏)。LoBの移行が難しい理由について、浅野氏は、「アプリケーションサーバーは10~15年運用するのが一般的なのに対して、Windows Serverのサポート期間はメインストリームサポートと延長サポートを合わせて10年。つまり、マイクロソフトのサポートサイクルと実際の運用のライフサイクルがずれている。52%のLoB用途のユーザーに対して何等かのサポートが必要」と説明した。

使われ続けているWindows Server 2008の用途

 「マイクロソフトサーバー移行支援センター」では、オンプレミスのWindows Server 2008/SQL Server 2008の最新OSへのアップグレードや、AzureのIaaS/PaaSの最新インフラへの移行を支援するのと並行して、オンプレやAzure仮想マシンでWindows Server 2008/SQL Server 2008環境をもうしばらく使い続けたいユーザーも支援していく。

 具体的な支援策として、まず、オンプレミス環境でWindows Server 2008/SQL Server 2008を使い続けたいユーザーに対しては、延長サポート終了から3年間にわたってセキュリティ更新プログラムを提供する「延長セキュリティ更新プログラム」を用意する。ただし、「延長セキュリティ更新プログラム」の利用には、“最新バージョンのライセンスコスト全額の75%の料金”がかかる。

 一方、オンプレミスで稼働中のWindows Server 2008/SQL Server 2008をAzure IaaSの仮想マシンにリフト&シフトして使い続けるケース、またはAzureの仮想マシンで稼働中のWindows Server 2008/SQL Server 2008をそのまま使い続けるケースについては、「延長セキュリティ更新プログラム」を無償で提供する。一部のWindows Server 2008/SQL Server 2008のみをAzureに移行し、オンプレミスとAzureのハイブリッド環境で運用するケースでは、「Azureハイブリッド特典」によってAzureインスタンスの料金が最大55%安くなる。

 このようにマイクロソフトは、Windows Server 2008/SQL Server 2008をAzureの仮想マシンに再ホストして使い続けるケースに対して、コスト面で大幅に優遇している。競合のAWSもWindows Server 2008のサポート終了に際するクラウド移行支援を強化しており(関連記事)、これをけん制する格好だ。AWSのIaaSでWindows Server 2008/SQL Server 2008を使い続ける場合にも「延長セキュリティ更新プログラム」を利用できるが、有償で、最新バージョンのライセンスコスト全額の75%の料金がかかる。

 今回設立された「マイクロソフトサーバー移行支援センター」の参加パートナーであり、且つWindows ServerのAmazon EC2への移行専門のAWS認定パートナー(Amazon EC2 for Windows Server)でもある富士ソフトのMS事業部 事業部長の阿部和夫氏は、「Windows Server 2008環境を今すぐに最新OSやPaaSへ移行できないケースは多くある。Windows Server 2008を使い続けるためのインフラとして、コストだけ見ればAWSよりAzureが圧倒的に安い」と述べた。

「マイクロソフトサーバー移行支援センター」に参加するマイクロソフトパートナー企業の皆さん

 Windows Server 2008/SQL Server 2008のIaaSへのリフト&シフトと「延長セキュリティ更新プログラム」による延命は、あくまで一時しのぎ。マイクロソフトとしては、IaaSへのリフト&シフト後3年のうちに、AzureのWindows Serverコンテナや、オンプレミスのSQL Serverと100%近い互換性を持つ「Azure SQL Database Managed Instance」といったPaaSの最新インフラへの移行を促していく。

カテゴリートップへ

ASCII.jp特設サイト

クラウド連載/すっきりわかった仮想化技術

ピックアップ