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小島寛明の仮想通貨&ブロックチェーンニュース解説 第3回

漫画村問題でブロックチェーンが注目される理由

2018年07月09日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 ブロックチェーンはさまざま分野への期待への応用が期待されているが、意外にも期待値が高いのはエンターテインメントだ。マンガ、映像、音楽、活字など多くのコンテンツがデジタル化されたことは、さまざまなプラスの変化をもたらした。

 本屋に行かなくてもマンガの最新刊をダウンロードできるし、レンタル店に足を運ばなくても気に入ったドラマは動画配信サービスでイッキ見できる。ネットフリックスやアマゾンなどによるサブスクリプション型動画配信サービスが普及したことで、映像制作のあり方そのものにも変化の波が押し寄せている。

 他方、コンテンツのデジタル化はマイナスの変化ももたらした。

 ついさっきテレビで流れていた午後9時の連続ドラマは、検索サイトを駆使すれば、中国語やスペイン語の字幕つきでアップロードされている動画ファイルが見つかる。

 週刊誌で連載されているマンガも、雑誌の発売直後、最新のエピソードが動画としてYouTubeにアップロードされていたりもする。紙に印刷されたマンガを撮影し、数秒ごとに次のコマに移る形で、動かないマンガを「動画」に編集しているようだ。当然ながら、法的には問題となりえる行為だろう。

 最近では、海賊版のマンガを無料で読めるサイト「漫画村」へのアクセスがブロックされて議論を呼んだ。

 デジタル化で困った事態に陥っているのは作者たちだ。

 コピーガードがかかっていなければ、デジタルの世界で漫画は無制限にコピーできてしまう。マンガ家が不眠不休で仕上げた作品がすぐネットで無料で読めるとなれば、その分の対価は支払われない。

 長い目で見れば、対価が支払われない悪影響は読者にも及ぶ。マンガ家の収入が減れば、市場の規模が小さくなり、マンガ家を目指す人も減るだろう。そうなれば次の「ワンピース」や「進撃の巨人」が出てくる可能性も減るかもしれない。悪循環は、映像、音楽、活字の世界にも置き換えることができる。

 悪循環を断ち切る可能性を秘めた技術として期待されているのが、ブロックチェーンだ。

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