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ドローンに新しい風が吹いている - 「ドローンのビジネス活用セミナー&スマートグラス×ドローン体験会」開催

2017年11月03日 10時00分更新

文● 小山安博、編集●ハイサイ比嘉

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セミナーで飛行デモをするDJIのPhantom 4 Pro

 エプソン販売は2日、ドローンのビジネス活用とスマートグラス「MOVERIO」の組み合わせのメリットを紹介する「ドローンのビジネス活用セミナー&スマートグラス×ドローン体験会」を開催した。ドローンビジネスのセキドとの共催で、ドローンをビジネスにいかに活用するかを検討しているビジネスパーソンをターゲットにしたイベントだった。

ドローンの産業利用が2020年に向けて急速に拡大

 ドローンのビジネス活用について紹介したのはセキドの高木圭太氏。セキドは、早くからDJIのパートナーとしてドローン販売を手がけるほか、ドローン講習やドローンのビジネス活用のサポートなどを提供している。

セキドの高木圭太氏

 高木氏によれば、現在、ドローンの産業利用が2020年に向けて急速に拡大している。調査によれば、現在ドローンの利用目的では空撮が全体の3割ほど。空撮の利用割合が減ったというより、それ以外の用途での利用が拡大してきているという。その用途として大きいのが保守点検、測量、警備の分野だ。この3分野を合わせると、すでに空撮用途を超えているそうだ。

 同社が取り扱うDJIのドローン製品は、レジャー向けの「SPARK」から、農薬散布の「AGRAS MG-1」まで、幅広いラインナップが用意されている。通常は一般用途向けの「MAVIC PRO」も映像の現場で利用されることもあり、Phantom 4 Pro、Matrice 600 Proは映像制作、調査点検など、幅広く利用されている。

DJIのラインナップ

 高木氏は、「ドローンに新しい風が吹いている」と指摘。DJIが自動航行アプリをリリースしたことで、今年に入ってから自動航行による産業でのドローン活用が拡大しているという。それにともない、昨今は単にドローンの操縦テクニックだけでなく、自動航法のソフトウェアが登場したことで、そうしたソフトウェアの使い方もマスターする必要がある、という。

 ドローンのビジネス活用の事例では、高木氏は例えばプロモーションでの活用を挙げる。ダイナミックな空撮映像が利用できるほか、これまではクレーンを使わなければならなかったような映像も簡単に撮影できる点を紹介。

ドローンのビジネス活用ではさまざまな分野がある
セキドが撮影したドローンのプロモーション映像。高速で走行するトラックと併走するなど、迫力のある映像が撮影できる

保守点検におけるドローン活用

 続いて触れたものが、保守点検での活用。ドローンを保守に使うことで、地上からは見えない、なかなか目視点検ができないような場所も容易に検査できるようになる。例えば、大きな工場の屋根にある避雷針を検査する場合安全帯をつける場所もなく、普段であればチェックも手間がかかる。一方、ドローンを使って4Kで映像を記録しておけば、後でそれを専門家がチェックするといった形で目視検査ができるというわけだ。

点検業務では、目視確認の代わりとして、人間では難しい高所作業などを代わりにドローンで行なう

 さらにDJIのドローンには特殊なカメラを使った製品もある。例えば「Matrice 210 RTK」はふたつのカメラを搭載し、一方は赤外線カメラ、もう一方は光学30倍ズームレンズを搭載することで、赤外線でソーラーパネルの故障を発見し、ズームレンズでその詳細を確認するという用途が可能になった。

DJIの特殊カメラ

自動航行による測量フライト

 もうひとつの産業用途が測量だ。空撮データから3Dモデルを作成する場合、国土交通省のマニュアルによれば前画像の90%を重ねて次の画像を撮影し続ける必要がある。これを人の手で撮影するのは難しいが、ドローンを使って自動航行すれば、より容易に測量フライトができる。測量用途だけでなく、例えば災害時の避難経路を確認したり、消防車の進入路を確認したり、さまざまな用途で利用できる。

測量フライト

「ドローンは申請すれば飛ばせる」 - ドローンのビジネス活用でキーとなる"飛行許可"

 このドローンのビジネス活用で問題になってくるのがドローンの飛行許可だ。しかし、高木氏は「ドローンは飛ばせないという常識は持たないでほしい」と指摘する。逆に「ドローンは申請すれば飛ばせる」と強調する。

 ドローンは、夜間飛行や目視外飛行、人や建物などから30m未満の距離での飛行、イベント上空での飛行などで、「飛行が禁止」ではなく「飛行に申請が必要になる」。通常の申請は国交省航空局に行なうが、私有地・国有地はそれぞれの所有者や管理者、道路は警察、湾岸・海上は海上保安庁といったように、目的に応じて申請先が異なってくる。

申請が必要になるケース
許可を得る申請先

 これに注意をすれば、例えば飛行許可の期間や地域は包括して申請できるし、飛行する都度、申請しなくてもいい点を高木氏は指摘する。例えばセキドが撮影した横浜・みなとみらいの商業施設からみなとみらいの夜景を撮影する映像では、夜間であり、商業施設から飛行し、海保や警察のヘリポートが近くにあったが、すべて許可を得た上で合法的に撮影。飛行許可は包括で、商業施設の許可は取っていて、海保や警察は電話での確認で済んだという。許可さえ取ればドローンを使ったさまざまなビジネス活用が可能になるとしている。

セキドが撮影したみなとみらいの夜景の映像
実際の飛行エリアと申請先

ドローンのビジネス活用に貢献する「MOVERIO」

 こうしたドローンのビジネス活用で、役に立つのが「MOVERIO」だと高木氏。ドローンの飛行では目視外飛行が通常は禁止されている。ドローンではコントローラーのディスプレーに映像を表示して撮影中の映像を確認できるが、飛行中はドローンを注視しなければならない。そのため、手元の映像確認は最小限となる。

 この場合、必要な映像がきちんと撮影されているかどうかの確認が難しくなるが、MOVERIOを使うと、ドローン自体を注視しながら、視界にドローンから送られる映像が表示されるため、両方の同時にカバーできる。「スマートグラスとドローンの親和性は高い」と高木氏。

 2011年の初代MOVERIO BT-100の登場以来、現在のMOVERIO BT-300で3世代目。小型軽量化に加えてシリコンOLEDを使用したことでよりくっきりとした映像を表示できるようになり、晴天下でもドローンから送られる映像が見やすくなるなど、さらにドローンとの親和性が高まっている。

エプソンのスマートグラスの歴史
最新のMOVERIO BT-300
シリコンOLED採用による高画質に加え、各種センサー、カメラなどを搭載
コントローラーはAndroidを採用。動画再生で約6時間の再生が可能
エプソンの強みがこの光学エンジンだという
このMOVERIO BT-300がドローンとの高い親和性を実現

 VRで使われるHMDは、リアルの視界がないためドローンの操縦には利用できず、手元のコントローラーのディスプレーでは視線移動が必要になり、太陽光下で見にくいという欠点もある。こうした問題をすべて解決できるのがMOVERIOによるドローン操縦で、目視外飛行に当たらない点についてはエプソン自身が国交省に確認を取っているという。

ドローンは目視での飛行が必要
ディスプレーやHMDに比べMOVERIOのメリットは多い

ドローンのコントローラーに、MOVERIOのコントローラーを固定するホルダーを発売予定

 こうしたドローンでの用途を受けて、エプソンでは12月中旬をめどに、ドローンのコントローラーにMOVERIOのコントローラーを固定するホルダーを発売する予定。さらに、DJI用アプリをカスタマイズし、通常のライブビューモードに加え、ライブビュー画面を最小限のサイズにして、テキスト情報のみを表示してよりドローン本体を見やすくするシースルーモードを追加したものを「鋭意開発中」(同社)だという。

コントローラーホルダー
実際のホルダー
MOVERIOのコントローラーとドローンのコントローラーの接続はUSB経由
MOVERIO用のカスタマイズアプリ。シースルーモードでは映像部分を黒く表示する。これによって実際にはシースルーの状態になり、そのままドローン本体を確認できる

 セミナーは、ドローンをすでに使ったことがあり、MOVERIOを所有しているという人も多く参加しており、ドローンのビジネス活用に対する期待度の高さをうかがわせた。体験会ではMOVERIOでの見え方を確認でき、実際に多くの人がドローンとMOVERIOの組み合わせを体験していた。

体験会では各種ドローンに加えてMOVERIO BT-300とドローンの接続を体験できた

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