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業界人の《ことば》から 第268回

「これまでAWSを攻撃してこなかった」日本オラクルが対抗心見せる

2017年10月26日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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AWSへの対抗心

 約2500人の社員を対象にしたクラウドに関するトレーニングを強化。「Oracle Cloudに関する商品知識や専門知識だけでなく、競合他社のクラウドサービスに関する知識も高めることで、他社と競争できる体制を強化したい」とする一方、SMB向けに特化した営業組織を、現在の200人体制から倍増させるという。

 「ドイツ時代には国内の各営業拠点に、SMBの担当者を配置したこともあった。日本では東京の拠点に集約しているが、もう少し学習しながら必要に応じてローカルに人を配置する必要があれば、それも検討したい」とする。

 さらに、すべての社員が働きやすいように、職場環境の改善にも取り組む考えを示す。

 「女性がさらに活躍できる場を用意し、リーダーシップを発揮してもらいたい。政府の協力を得て、社内に託児所を設けるといったことも検討したい」とするほか、「若い社員が活躍できる場も増やしたい」と語る。

 一方でオーバーマイヤー氏は、AWSへの対抗心を燃やす。

 「AWSは多くの顧客に対して、IaaSをどう使うべきかということをしっかりと伝え、パブリッククラウドを使用することの利点を、多くの人たちに理解させた。とくに、多くの人がクラウドを導入する際に懸念していたセキュリティーに関して、しっかりとした回答を提示できたことは、業界全体に対する大きな貢献になる。クラウドビジネスをしているオラクルにとっても、セールスフォース・ドットコムにとっても、ワークディにとってもプラスになっている」としながら、「日本オラクルはこれまで日本において、AWSを攻撃するような発言をあまりしてこなかった。だが私は、AWSとの違いについて、もっと訴求した方がいいと思っている。その方がクラウドに対する顧客の理解が進むだろう。そして、競合がいるということは、私たちにとっても、顧客にとってもいいことだ」と語る。

 2017年10月1日(現地時間)から、米サンフランシスコで開催されたOracle Open World 2017では、基調講演に登壇した米オラクルのラリー・エリソン会長兼CTOが、最新のOracle Database 18cをベースとした自律型サービス「Oracle Autonomous Database Cloud」を発表。そこで、AWSと比較するデモストレーションを実施しながら、パフォーマンスの高さと半額以下になるという価格設定の強みを訴求。「これでもAWSを使う理由があるのか」と、強い対抗心をみせた。

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