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日本各地のかっこいいスポットを愛でる!

建設中のトカマク型核融合実験施設はまるで宇宙船!

2017年08月26日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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 ASCII.jpでは、以前にヘリカル型核融合実験施設である核融合科学研究所を取材しているが、核融合実験施設にはヘリカル型以外の方式が存在している。

 今回の取材先である国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構 核融合エネルギー研究開発部門 那珂核融合研究所には、2020年から実験開始予定のトカマク型を採用するJT-60SAがある。そのJT-60SAを目前で撮影できたので、施設概要なども含めてレポートしていこう。

 現状、核融合発電方面は、どの方式が最適であるのか、核融合を維持するのに必要な設計はどうなのかといった部分を探りつつ、そもそもよくわかっていないプラズマの基礎研究も進めている段階だ。

 また直近では、おなじみのGoogleがTri Alpha Energyと共同で、核融合に関するアルゴリズムを開発しており、研究は順調のようだ。

JT-60SA。Japan Tokamak 60 Super Advancedの略。60は容器内のプラズマ体積、60立方メートルから。Super Advancedは前モデルであるJT-60の後継機の意味になる

最も多く建設され、研究が進んでいる
トカマク型核融合実験施設

 核融合については「核融合炉に行って、炉に飛び込んできた!」の記事で解説しているので、そちらを参照してもらうとして、まずはトカマク型について見ていこう。

 トカマク型はこれまでにもっとも多く建設された方式であり、また核融合研究が一番進んでいる方式だ。ヘリカル型と同じく、磁場封じ込め式に属している。

 ヘリカル型は螺旋形状のコイルに電流を流し、磁場を形成しているが、トカマク型にはそういったものはなく、単純なドーナツ形状。容器内外にある3つのコイルと、プラズマ内を流れる電流でプラズマを封じ込める仕様だ。

これがヘリカル型の容器内。コイルが螺旋形状になっているのが特徴だ那珂核融合研究所サイトで公開されている、建設中のトカマク型容器内の写真。とてもスッキリしているのがわかる

 フランスで建設中のITER(国際熱核融合実験炉)もトカマク型で、日本もこれに参加しており、量子化学技術研究開発機構は日本の国内機関として国から指定されている。JT-60SAの目的は、設定された技術目標の達成と、原型炉に向けたITERの補完研究、人材育成が主だ。

 なお、ITERとは、ラテン語で「道」の意味を持つ。日本とEU、ロシア、アメリカ、韓国、中国、インドによる共同プロジェクトで、現在、フランスに実験炉を建設中だ。実験開始は2025年の予定となっている。

施設概要。JT-60SA本体と電源、冷却系写真にある黄色い部分が、ホロイダルコイル、D型の物体がトロイダルコイル、センターにあるものがセンターソレノイドコイル
設置前のポロイダルコイル。すでに3基は取り付け済みで取材時には取り付け待ちの3基を見ることができた。写真手前のものは、直径10.5m。中央のものが直径8m、奥が4.4mだ。真円度誤差は手前から1.3mm、0.6mm、0.6mm。目視すると、違和感を覚えるくらい真円に近い。超伝導コイルとしては世界最大(取材時点)とのことだ
輪切りのモデルを見ると、内部にチューブがいくつもあるのがわかる。1本あたり約4km。ちなみに那珂核融合研究所にはコイルを巻く設備だけでなく、生産ラインも存在している実験棟には、ポロイダルコイル専用の搬入口(写真右)がある。既存の搬入口よりも大きくなってしまったため、用意されたそうだ。貯金箱っぽい
トロイダルコイル。Dコイルと呼ばれており、容器内に18基格納される。フランスとイタリアが、それぞれ9基+スペア1基の生産を担当している。また名前が付けられており、写真はBRIGITTE。フランスはANNIEとAからスタートしているが、イタリアは1基目がROBERTAとお国柄が出ているJT-60のときトロイダルコイルは円形だったが、実験の結果、D型のほうがいいと判明したため、JT-60SAでは形状が変更となっている。ちなみにJT-60のコイルなどは保管されているので、一般公開時などに目視可能だ

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