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SFだよ! メカだよ! よくわかんないけど、かっこいいよね!

グローバルフォトウォーク@KEKレポート

2010年08月13日 12時00分更新

文● 林 佑樹 写真●住川奈津

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グローバルフォトウォークとはなんぞや

 8月7日、茨城県・つくばにある高エネルギー加速器研究機構(KEK)において、グローバルフォトウォーク@KEKが開催された。

 これは研究施設を対象としたフォトセッション&フォトコンテストというべきもので、米国立フェルミ加速器研究所、欧州原子核研究機構(CERN)、ドイツ電子シンクロトロン研究所、カナダTRIUMF研究所、そしてKEKの5つの加速器研究施設で同時開催された。

 コンテストとしては、素粒子物理学の広報ネットワーク「Interactions.org」で公開され、一般投票でグランプリが決定される。また別途、KEKウェブサイト上でも公開し、KEK賞も決定。グランプリ作品と各研究施設の大賞作品は、上記5つの研究施設で展覧会を行なうとのこと。

 Twitter上ではハッシュ「#pppw」でツイートがなされ、KEKのフォトウォーク開催を皮切りに、連続的に各所の様子がアップロードされていた。

参加者は39名。見た限り、男女比率は8:2。最年少は中学生の少年だった。写真はオリエンテーション時のもので、レギュレーションなどを説明しているのは、国内ではじめてウェブサイトを作った漢・森田洋平博士フォトウォーク中は各所でその施設を担当する博士の解説が短めに行なわれた。普段の一般公開ではけっこう長く詳しい解説がある

 以上のような目的のイベントだが、撮影を通して最先端科学に触れてもらうという主旨もあり、国が所有する法人としてはユニークな試みといえる。素粒子物理学は、いざ説明されても謎単語が多いし、わかりやすく書かれていてもかみ砕くまでに時間がかかる。

 もっともメジャーな素粒子は「電子」だろうか。今日の生活環境は電子の発見がなければあり得なかったくらい密接なのだが、どういう性質かなどと調べ始めると大変だ。電子発見当時も「何の役に立つのか」といわれたくらい、最先端の研究なので、開き直って施設のかっこよさから興味をもってもらうというスタンスは正解かもしれない。


庵野監督も夢中になったKEK

一般には馴染みの薄いKEKだが、ASCII.jp読者的には“日本最初のホームページを作ったところ”として案外認知度が高いのでは?

 簡単にKEKについて説明しておこう。KEKは日本屈指の加速器研究施設で、ノーベル物理学賞で何度も報じられた「CP対称性の破れ」を検証した周長3.016kmの加速リングやBelle測定器(KEKB)、民間企業や大学などが研究に利用する放射光施設、病院などでも運用できる小規模高性能加速器の研究が中心の先端加速器研究施設などが主となっている。

 また、日本で最初にホームページを作成したところでもあり、IT関係者なら名前だけは聞いたことがあるのではないだろうか。

 そもそも加速器は粒子を加速する……などと説明し始めるとキリがないので、ガンダムでいえばビーム・ライフル、ナディアでいえばバベルの塔、エヴァでいえばポジトロンライフルだ。身近なものであればブラウン管テレビの電子銃、病院でのガン治療にも活用されている。

 KEKに設置されている加速器「KEKB」での実験は、電子と陽電子を高いエネルギーで衝突させた際に生じるB中間子の崩壊を観測するというもの。加速器は戦前から存在しているが、eV(電子ボルト)の増加とともに、新しい素粒子の発見があった。

 ブラックホールができるかもしれないというニュースでご存じの人もいるだろうが、欧州原子核研究機構(CERN)は現時点でもっともエネルギーが強く、ヒッグス粒子の発見などが期待されている。

とりわけ知名度が高いのは、Belle測定器。ノーベル物理学賞の立役者ともいえる。3辺8mの巨大な塊で、エンドヨーク(青い扉状のもの)は意外にも手動で開閉させる仕組みだ

 近年は映像作品への登場も多い。以前、見学時に庵野秀明監督らとご一緒したのだが、そのとき、庵野監督はあちこち撮影しまくり、皆が気がついたときには姿が見あたらなかった。捜索の末、“発見”されたのはBelle測定器の隣にあるエレキハットという、Belle測定器で取得したデータを一次処理するところ。

 すごく気に入っているなぁと思っていたら、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にエレキハット内部がそのまま登場していた。またいくつかのカットでも登場しているようだ(綾波がDATを拾っているところなど?)。クリエイターから人気の高いスポットともいえよう。

 同系統の施設である欧州原子核研究機構(CERN)については、ゲーム『シュタインズゲート』でよくご存じな方もいるだろう。

そのエレキハット内部。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』では、加持さんが座っているシーンで登場。今回のルートには含まれていなかったので、以前の取材時に撮影したものを掲載している

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