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プリンストンが販売する高機能ストレージ「Drobo」を活用しよう 第22回

10TBを実現したヘリウム充填HDDの秘密をHGSTに聞いた

合計21万円! 10TB HDDを3台、Droboに使ってみた

2017年04月06日 11時00分更新

文● 飯岡真志、編集 ●金子/ASCII.jp

提供: プリンストン

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HDDがこの先生きのこるには?

Q:最後になりますが、今後のHDDはどうなっていきますか?

A:希望的観測も含みますが、スピードと容量のバランスを考慮すれば、ストレージ階層の中でHDDが使われるべき領域はあると考えています。3.5インチのフォームファクターで何十TBという容量は、まだフラッシュでは達成できませんし、テープはアーカイブ用途に限られています。

 またスーパーコンピューターやビッグテータといった領域では、データの使用頻度に応じて、記録するティアを変更するといったマネージメントが行われますが、使用頻度が低いティアに適切なストレージはHDDだと思います。

 ほかにもオブジェクトストレージといった用途もヘリウム充填HDDのカバレージとしては最適な領域ですし、山ほどHDDを使ってくれるクラウドサービス系の需要もまだまだこれからだと思っています。

 需要の増加に対応していくために、90年代のGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果)や、2000年代のPMR(垂直磁気記録)に匹敵するような技術的なジャンプアップが出てくると良いのですが、2010年代ももう半分以上過ぎてしまいました(笑)。容量向上のペースが「踊り場」と言われているのは、このためです。これはHDD業界の共通認識ですね。

Q:いろいろとありがとうございました!

HDDの歴史を一望する

 予定を大幅に超過してHDDに関するお話をうかがった後には、HGSTの事業所内にある「HDD博物館」とでも呼びたくなる場所も見せていただいた。60年前に登場した最初のHDD(IBM製)は24インチ径だったそうだが、こちらの「博物館」には14インチのHDDが展示されていた。「14インチ」と聞いて、HDDを思い浮かべるユーザーはいないだろう。普通はピザを思い出すに違いない。この時代のHDDは回転軸とモーターが分離しており、ベルトで駆動していたそうだ。今のHDDが精巧な電子機器であるのに対して、14インチのHDDはまさに工業製品といったおもむきだ。

 このピザサイズのHDDの容量は3.75GB。「ちっさ!」と思うかもしれないが、1982年といえば、国内ではPC-9801初代が発売された年だ。オプションの5インチHDDは、容量5MBで50万円近い値段だったように記憶している。それを思えば、当時の3.75GBがどれだけ破格のものか分かるだろう。

HDDの歴史を概観。左上にある24インチの円盤から右下の3.5インチHDDまでとてつもない進化を遂げている

14インチサイズのHDDのカットモデル。1982年のIBM3380という機種に使われたもので、容量は3.75GB

横から見ると、円盤の枚数が9枚であることが分かる

 もう少し現代に近い時代の製品が置かれているエリアに来ると、そこには懐かしい製品が多数あった。「あ、これ持っていたよ」「今も動いているかも」と盛り上がってしまい、取材で時間が限られていなければ、ずっと見ていたかったほどである。

NASモデルやサーバールーム向けモデルもラインアップ

 Droboシリーズには、家庭向けからサーバーとの接続に使うハイエンドストレージまで、多くの製品を用意している。ここでは、大企業の部門/中小企業から、家庭でも使える製品を紹介しよう(写真をクリックすると、メーカーページに飛びます)。

2016年9月に登場した「Drobo 5Dt」。「Drobo 5D」の5ベイ搭載や64TB・4Kn HDD対応などはそのままに、インターフェイスのThunderboltが「Thunderbolt 2」の強化(USB 3.0も搭載)。また、標準でキャッシュ用SSDを搭載する

2016年11月に発表されたばかりの「Drobo 5C」。手軽に購入できるモデルながら、HDDベイはDrobo 5DtやDrobo 5Nと同じく5ベイを搭載し、もちろん64TB・4Kn HDD対応だ。インターフェイスに、USB 3.0の「type-Cコネクター」を採用する点も大きな特徴となる

DroboAccessをはじめとするDroboAppsが利用できる、8ベイ搭載NASモデル「Drobo B810n」。Gigabit Ethernetポートを2基搭載し、複数のネットワークへの接続やリンクアグリゲーションが可能。4Kネイティブ(4Kn)HDDに対応しており、最大ボリュームサイズは64TBに達する。アクセス頻度の高いファイルを自動的にSSDへ配置し体感速度を向上させる「Automated Data-Aware Tiering(自動最適配置機能)」も搭載だ

iSCSI SAN、冗長化電源などに対応し、12ベイを搭載する企業向けモデル「Drobo B1200i」

初出時、先方説明のHGST設立の時期などに誤りがありました。お詫びし、訂正させていただきます。(2017年4月7日)

(提供:プリンストン)

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