このページの本文へ

肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第31回

50分働けば一食タダ!まかないが食べられる神保町「未来食堂」

2015年11月24日 12時00分更新

文● ナベコ

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

食事のために「まかないさん」体験をしてきた

 まかないさんを体験をするには、一度以上通常のお客さんとしてお店に訪れているのが必須条件。申し込みの初回は店頭で申し込み、2回目からは電話やFacebookでも申し込めます。

 まかないさんが働く時間帯は、昼は11時55分~12時45分、夜は22時10分~23時と固定されています。スケジュールは未来食堂の公式サイトで完全公開されているので、興味がある人はまずカレンダーをチェックしてみましょう。

●11時45分 お店に到着

ナベコがお手伝い体験。実は(まさに)将来の夢は飲み屋のおかみさんです。

 本日はランチタイムのまかないさんを体験。開始10分前には到着している決まりです。これから、借りたバンダナとエプロンに着替えてきますね。

 記者は学生時にファストフード店でアルバイト経験があるのと、現在進行形で東京カレーニュースBarを手伝っていますが、食堂のあわただしいランチタイムに足を引っ張らずにいられるでしょうか。

お店はカウンターのみの全12席です。

 ちなみに、餃子の王将の一部店舗などで皿洗いで一食タダになるというサービスがありますが、未来食堂のランチタイムのまなかないさんは、接客や会計対応など、お客さんとしっかり顔を突き合わせます。より“お店屋さん体験”感が強いでしょう。

●11時55分 お手伝いスタート

 シューズカバーをつけてから厨房の中に入り、手を洗って「よろしくお願いします」でまかないさん体験のスタートです。大切なのは手伝いたいという気持ちだそうですから、引き締めていきましょう。

●来店したお客さんをご案内

 ランチタイムは11時スタートなので、店に入った時にはすでにお客さんが食事をしている状態です。新規のお客さんが来店してついオロオロしてしまいましたが、店主の小林せかいさんの指示でお盆に必要なものを配膳して、お客さんにお出しすることができました。

オロオロしながら、お客さんに食事を提供する記者ナベコ。

 「お客さんがいらっしゃったら、ご案内差し上げて、お盆に小鉢を3つ置いて提供してください。ガイドは見てきましよね?」と小林さん。

 そう、未来食堂はまかないさんのガイドが完全公開されています。まかないさんはこれを事前にしっかり読んでくることが条件。

 ガイドにはランチタイムであれば、案内、会計、膳下げといった業務内容と、それぞれの注意点が書かれています。手の洗い方までこと細かに書かれており衛生面にも入念なことがわかります。

 毎日代わる代わるお店に入るまかないさんが、スムーズにお手伝いできるのは、ガイドがあるからなのですね。それでも店の勝手など文書だけではわからないことがあるので、、アタマの5分程度でざっと業務の内容を説明してもらえます。

●あちこちを清掃する

「掃除してください」と店主に指示されてあたふた。

 お客さんが止まって何をしたらいいのかと戸惑っていると、「手が空いているときは拭き掃除をしてください」と小林さんからキリッとした指示が入りました。あ、あわわ。

ふきふき。日頃デスクワークをしていて体がなまっているので、かがむと若干腰が(笑)。良い運動です。もし、ケガなど体調に問題あるときは店主に相談しましょう。未来食堂さんは、無理はいけないという姿勢です。

 機材や床などを拭いてみると、きれいに見える厨房もあちらこちらにうっすら汚れが。それもそのはず、毎日キレイにしいても飲食店ですから、作業すると同時に油が飛んでくるのです。

 ふだんは家で拭き掃除はあまりしませんが、こうやって手を動かして厨房をキレイにすることで快感と店への愛着がわいてきますね。む、しかし、かがむと腰がいたい……。

●お客さんから下げ膳

 お客さんが帰るタイミングで会計の対応をします。クーポンあるなしで価格が変わってくるので、気を付けなくてはいけません。

金銭も扱うので、若干緊張……。

 ランチの通常価格は一律900円ですが、初回来店時に永続的に使える100円引き券を渡しているため、二回目以降来店の方は800円になります。また、玉子や梅干しの追加はプラス50円。

 「お盆を上げていただけますか?」
 未来食堂ではお盆はお客さんに上げてもらっています。はじめてのお客さんだと、わからないでそのままにしてしまうので、お客さんとコミュニケーションをとるのが大切。

お店屋さんっぽくなってきましたか?

 お客さんにお盆を上げてもらったら「助かります」と必ずお礼をいうことを教わりました。一期一会なので、お客さんが気持ちよいと思うことを言葉にしたいですね。

●忘れちゃいけないデザートの提供

 この日は、フルーツのデザートがあったのですが、ぎりぎりまで冷蔵庫で冷やしているので、お客さんの食事が終わるタイミングで出してあげるのが決まり。なのでお客さんの様子は、掃除をしたり別のことをしていても、さりげなく気を配っていなくてはいけません。

 接客、会計、掃除と、次は何をやったほうがいいかに常に気を巡らせて大忙し。やはり飲食店で働くのは大変ですね!

カテゴリートップへ

この連載の記事
もぐもぐ動画配信中!
アスキーグルメ 最新連載・特集一覧