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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第86回

クリエイティブの祭典「Adobe Max 15」で体験するクラウドの破壊力

2015年10月09日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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Adobe Maxの主要なテーマはCreative Syncだったと振り返ることができる。作業環境、データをデバイス間、アプリ間で引き継ぎ、モバイルデバイスを本格的に活用できるのだ

 10月4日に、サンフランシスコからロサンゼルスへ出張しました。Adobeが毎年この時期に開催するクリエイティブの祭典、Adobe Maxの取材をするためです。Adobe Maxでは、毎年新たなクリエイティブソフトウェアが披露され、「Creative Cloud」と呼ばれる購読型サービスも順調にユーザー数を伸ばしています。

 今回のAdobe Maxでは、Creative Cloudが、より大きな「働き方の変革」をもたらす姿を見せてくれたように感じました。

 ちなみにこの「働き方の変革」は、2015年のカンファレンスでよく耳にするキーワードになっています。もちろん、その中核にあるのはモバイル化であり、先週開催されたBoxのカンファレンスでもまったく同じテーマが語られていました。

 しかし、Adobe Maxはこうしたビジネスカンファレンスとは違います。一言でいえば、とにかくカッコイイのです。Microsoft Theaterで開催された基調講演のオープニングは、立体的に作られた天井の高いステージ全面をプロジェクションマッピングによって演出し、驚かされました。

 そしてプレゼンテーション進行中も、常時ステージの背景をマッピングしていましたが、人の影が映らず、完璧なステージセットを作り上げていました。

Adobe Magicはクリエイティビティーを刺激する

 Adobeのプレゼンテーションはしばしば、魔法のようにイメージを形にする、エンターテインメントのようなステージを楽しむ事ができます。しかも、同じアプリを使えば、誰でも簡単にその機能を使うことができます。

 Adobeのアプリはあくまで道具。自分の想像力やアイディアを具現化する手助けをしてくれるのです。そんなメッセージとともに「やってみようよ」と誘われている感覚が押し寄せてきます。Adobe Maxに参加するクリエイティブに携わる人たちも、こうした刺激をお互いに与え合う場として、イベントを楽しんでいるようでした。

 それにしても、7000人という過去最大の参加者数。彼らがみな、何かを作ろうとしているその「熱気」が、非常に印象深いイベントだったといえます。参加者の多くが、すらすらとスケッチを描いたり、ちょっとしたデザインを作って試せる人たち。彼らが新しいアプリに触れている様子を見るだけでも、楽しめてしまう、そんな場でした。

今年はPhotoshop 25周年。記念してブースには、25年前のデスクを再現している。多くのものはeBayで集めたそうだ

Creative Syncは大きな意味を持つ

 さて、10月5日に開かれた基調講演でもっとも印象的だったのは、Creative Syncとして披露されたクラウドを活用したアプリ間連携です。この機能によって、Adobeのクリエイティブアプリケーションは、ある種“解放”されていくのではないか、と思いました。

デジタルデザインの対象も、テレビからスマートウォッチまで、さまざまになり、これらを統合的にデザインする環境についても、対応を進めている

 Creative Syncは、自分が持っている、もしくはチームで共有しているデザインや素材を共有しながら、アプリの間で連携を取ったり、Adobe Stockの写真やビデオなどの素材を活用したり、他のメンバーと共有したりすることができる仕組みです。

 特に驚いたのが、Adobe製品によるデザイン作業に、iPadやiPhoneなどのモバイルデバイス上で動くアプリが、非常に自然に連携していることでした。

iPad ProによるPhotoshop Fixのデモ

 たとえばiPadで動作するAdobe Camp CCで、さらさらとポスターのレイアウトデザインを作り、これをデスクトップのPhothosp CCに渡して、Adobe Stockから写真素材を見つけてきて配置し、iPhoneのAdobe Caputre CCで作った花柄のテクスチャを適用する、といった作業をデモしていました。

 この間、使ったデバイスはデスクトップパソコン、iPad、iPhoneの3台とアプリも別々に3つ使っていました。しかし、クラウドにデータを素早く同期し、他のデバイスに作業をスムーズに引き継いでいける様子は、磨きがかかったクラウドの活用の姿だったといえます。

 また、基調講演では、ステージの左右にデモ用のテーブルが置かれており、左の人の作業を右の人が引き継ぐ、そしてまた左の人に戻す、といった連携も行われており、コラボレーションのスムーズさも伝わってきました。


(次ページでは、「クラウドを使ったデータ連携によって、アプリに対する考え方も変わる」)

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