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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」第87回

Adobe Max:きっかけを与える「写真」と、X-T10―15年ぶりの富士フイルムのカメラ

2015年10月14日 18時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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富士フイルムX-T10。クラシカルで道具としての味わいも深いミラーレス一眼。操作は取っつきにくかったですが、慣れると確かにモード切替ダイアルなんて入らなかったんだという気づきが。そしてすべてを自動化するオートスイッチは便利

 前回のAdobe Maxプレスツアーの続きです(関連記事)。クリエイティブの祭典、Adobe Maxに初めて参加し、その雰囲気や刺激を存分に受ける事ができました。

 常に最新版が利用できるクリエイティブアプリケーションと、これに組み合わせるクラウドによって、作業を個人で使う複数のデバイスやアプリ、もしくはチーム間でのコラボレーションを円滑に行い、ストック画層や写真、ビデオによってイメージ通りの作品を素早く作れます。

 そんな確固たる環境を用意した上で、可能性を拡張し続けてくれているのが、Adobeの現在といえるでしょう。

 その一方で、作り手が「まず動く」というきっかけをつかむこともまた、Adobe Maxへの参加で気づいたことだったかもしれません。

フォトグラフィプランは最も身近なCreative Cloud

 今年はPhotoshop登場25周年です。1990年に登場したPhotoshop 1.0では、小さな画面のMacintoshでモノクロの画像を扱うことができるという、非常に小さなステップでした。しかしそれでも、デジタル画像の可能性を見せてくれた、大きな前進でした。

 最新バージョンのPhotoshopでは、3Dグラフィックスの企業Mixamoの買収によって、3Dモデルを画像に登場させることができます。これはプロトタイピングの際に有効で、実際のスタジオ撮影を行なう際にイメージを固めることができるそうです。

 機能満載のPhotoshop。まず先入観として「起動が遅い」「動作が重たい」というイメージがありました。しかし、OS X El Capitanを導入した2012年モデルのMacBook ProでPhotoshopを起動してみると、思いのほか軽快に、素早く起動してくれます。もしも、過去のイメージで腰が引けてるのであれば、最新版を試してみることをおすすめします。

 軽快になっても、筆者にとって、最近の作業でなかなかAdobeのアプリケーションが必要となる場面に巡る会えずにいました。ちょっとした写真編集はiPhotoあらためPhotosで済ませてしまっていましたし、レイアウト作業もPagesやKeynoteで、といった具合です。

 仕事の道具を絞って習熟度を高める戦略も正しいとは思いますが、効率性のためにちょっとした「可能性」を諦めていたのも事実でした。

 筆者を含むそういった人にとっては、Creative Cloudのフォトグラフィプランがおすすめです。月980円でPhotoshopとLightroom(デスクトップとモバイル)、そしてモバイルアプリのCapture CC、Photoshop Fix、Photoshop Mixなどを利用可能で、クラウドで作業を同期するCreative Cloudらしい作業を体験できます。

 特に、モバイルアプリでの作業は、軽快であることももちろんですが、ちょっとした移動中に写真を調整することができる気軽さが気に入っています。このプランは、PhotoshopというAdobeの原体験を最新の方法で体験することができ、アイディアを試して形にする最小のワークフローを手に入れることができる、「きっかけ」になりました。

15年ぶりに富士フイルムのカメラを持つ

 昨年、Adobe Maxの参加者には、Microsoft Surface Pro 3が配られました。すでにCreative Cloudを使っているユーザーは、最新のWindowsタブレットで、そのクリエイティブ作業をタッチとペンを交えて可能になりました。

 今年のAdobe Maxの参加者には、富士フイルムのミラーレス一眼、X-T10がレンズ付きで贈られました。小型でしっかりしたボディに、シャッタースピードとドライブモード、露出補正の3つの大きなダイアルが配置されたレトロなデザインと操作性。絞りのリングはレンズに内蔵され、モードダイアルはナシ。取っつきにくい割になれると合理的な操作性のカメラです。

Adobe Maxの会場で早速X-T10を開封し、展示されていたSurface Bookを撮影

 面白いのは過去の“フィルム”の発色を再現するモードがいくつも用意されていること。色の豊かさを、何種類もの雰囲気で楽しめる、JPEGでの撮影が楽しいカメラといえます。

フィルムシミュレーションで、アナログ時代のカメラを再現する機能が面白いです。色がゴージャスなのが気に入っています

 春先にも何台もカメラをレビューしながら悩んでいた筆者ではありますが、まずは1ヵ月ほど、このX-T10を試してみようということで、使い始めてみました。秋の東京と長野への出張もあるので、よいチャンスに恵まれるのではないか、と期待しています。

 考えてみたら、富士フイルム製のデジタルカメラを持つのは、実に15年ぶりでした。前回は、240万画素のハニカム構造のCCDを持つ、FinePix 40iというカメラでした。面白かったのは、MP3オーディオ再生機能が搭載されていたことです。

 その1年後にiPodが登場するまで、音楽はMDで楽しんでいたため、オーディオ機能を使うことはありませんでしたが、カメラとポータブルオーディオを融合させた、複数の機能を持つモバイル機器のはしりだったわけです。

レンズマウントの乗り換えは大変

 富士フイルムのカメラに限ったことではないのですが、一旦カメラを購入するとメーカーを変えるのはなかなか大変です。レンズマウントと呼ばれる本体との接合部の規格が異なるため、たとえばニコンのレンズをそのままキヤノンのカメラにつけることはできません。ただし、オリンパスとパナソニックでは、マイクロフォーサーズ規格を共有しているため、お互いのレンズを交換することができます。

 富士フイルムはXマウントを採用しており、手持ちのレンズでフィットするものはありません。ただ18-55mm/F2.8-4の標準ズームレンズの写りはとても良く、すぐに追加のレンズが必要だとは思いませんでした。

 とはいえ、イベント取材やレビューの際にはやはりもう少し幅が欲しくなるのも事実で、せっかくニコン向けの単焦点レンズで気に入っているものが3本ほどあるので、これを生かすために、マウントアダプターに初挑戦することにしました。

 マウントアダプター経由では、基本的に絞りもフォーカスもマニュアルになってしまうので、機動力の面ではキットのズームレンズが常用になりますが、軽くて明るい単焦点からマクロレンズまで、今までの構成を引き継げる点、慣れないフルマニュアルでの操作も、楽しみの1つになりそうです。

ニコンの一眼レフカメラで愛用していた巨大なシグマ20mm/F1.8を装着して、ナパで撮影。絞りからフォーカスまですべてマニュアル操作になります。ビューファインダーで、ピントが合っているところを表示するアシスト機能が充実しているのですが、しかしそれでもなかなか難しいです

(次ページでは、「写真をきっかけに、最新のクリエイティブフローを体験」)

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