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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第89回

快適としか言いようがない4Kに対応したiMacと揺れ動く“パソコン感”

2015年10月29日 19時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura) 編集● ASCII.jp

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秋の皇居庭園を富士フイルムX-T10で撮影してきました。夕方だったこともあり、少し哀愁漂う光加減も相まって、東京の秋を楽しむことができるひと時でした

 今週は東京に出張しています。とても爽やかな秋の陽気を楽しんでいると、急な強風に見舞われた夕方、この原稿を書いています。写真は、日曜日に皇居の庭園で撮影したもの。以前連載でご紹介した(関連記事)富士フイルムのカメラ、X-T10での撮影はまだまだ楽しいものです。

 もう一つ、東京にやってきての気づきは、普通に過ごしていても、すぐにApple Watchの運動の目安となっている3つのリングが何周もしてしまう点です。特に1日の目標が30分と設定されているエクササイズは、バークレーでは心してジョギングなどに出かけなければ達成されないのに、東京では朝の通勤時間に移動するだけで、30分のリングが達成されてしまうのです。

 よくよく考えてみると、駅までの徒歩、ホームへ上がったり乗り換えのために利用する階段、乗り換えの通路の歩行スピードなどは、かなり早い部類に入り、おそらくこれらの時間が、ご丁寧に「エクササイズ」にカウントされているのでしょう。

 アメリカの筆者の住むサンフランシスコ・シリコンバレー地域はかろうじて高速鉄道があるといえ、車移動が基本。それと比べれば、Apple Watchてきな解釈において、東京は「日常がスポーツ状態の都市」ということなのでしょう。

 日常の中で体を動かす爽やかな秋空の下、今日はより深まる悩みについての吐露です。

4K対応を果たしたiMacを試す

 さて、前回(関連記事)はテレビの話題で4Kというキーワードをご紹介しましたが、今回はパソコンの4Kの話題です。AppleがiMacを刷新し、より小型の21.5インチモデルがRetina化され、一般的な4K解像度の動画などを表示しても、さらに余裕があるディスプレイを搭載しました。

iMac Retina 4Kディスプレイモデル。高精細化された4KディスプレイはP3をサポートし、豊かな色表現を実現しています。筆者にとってはちょうど良いサイズながら、少し費用を足すと27インチモデルにも手が届き、なんとも悩ましい選択です

 すでにRetina化されているiMac 27インチRetina 5Kディスプレイモデルと同じdpiを実現し、ラインアップの統一感にも気遣われていました。また色空間もP3をサポートし、これまでより25%多くの色を表示することができるようになり、特に赤の深みは印象的です。

 おそらく、既存のiMacを使ってきたユーザーにとっては、より高い解像度と豊かな発色を、すぐに気にいるのではないかと思います。また筆者のように、移動先でもフル環境で仕事ができるようにと、ノートパソコンを主体として揃えている人からすれば、明るく高精細な大画面は迫力満点。

 現在のMacBookシリーズの中では最大サイズである15インチを使っていても、21.5インチのディスプレイの広大さに大満足してしまうわけで、11インチや13インチのユーザーにとっては、最初はその広さをいかに使うか、持て余してしまうのではないでしょうか?

 ただ悩ましいのは、21.5インチのRetina 4Kディスプレイモデルを選ぶか、27インチのRetina 5Kディスプレイモデルを選ぶか、というせめぎ合いです。27インチモデルは全てRetina化されており、最も安い価格のモデルは22万5504。21.5インチ4Kモデルは18万6624円です。

 その差は3万6880円ですが、27インチモデルはディスプレイも大きくなり、プロセッサーも最新のSkylakeを採用、さらにAMDのグラフィックスを搭載し、HDDはより高速な7200rpmのものになります。

 ディスプレイ単体で見ても、デルからリリースされている5Kディスプレイは単体で20万9427円(Amazon調べ)で、iMacの価格と2万円以下の差しかありません。しかもこのデルのディスプレイはAdobe RGB 99%という色空間にとどまっています。

 つまり何が言いたいのかというと、ラインアップと価格的に、確かにiMac 21.5インチは4K対応を果たしたけれど、悩むなら27インチモデルをぜひ、というAppleのメッセージがありそうな気がしてならないということです。

Retina化、そしてモバイルとデスクトップのせめぎ合い

 MacのラインアップもRetina化が進行してきました。MacBook ProにRetinaモデルが登場したのは2012年にさかのぼりますが、このモデルを見た際、今後段階的にすべてのラインアップがRetina化されていくだろうと予測するのはたやすいことでした。そして、現在、Retina化されていないのはMacBook Airを残すのみとなりました。

 これがまた曲者で、12インチのMacBookはRetinaディスプレイモデルとして登場しています。また13インチモデルはRetina化されたMacBook Proがあります。MacBook Airは、廉価なモバイルノートとして非Retinaモデルは残されそうですが、それならばRetinaモデルとなっているMacBook Proはより薄型化されてしかるべきだとも思うわけで、なんとももどかしい状態と言えます。

 加えて、13インチMacBook Airは、12.9インチのタブレット、iPad Proと近いサイズになります。もちろんMacとiPad、OS XとiOSという違いはあるのですが、iPad Proをモバイル向けで利用する場合、iMacをデスクで使うという選択肢が生まれてくるわけです。

 個人的にはこれまでは、前述のとおりにフル環境を持ち歩けるようにすべきという考えを持ってきました。2012年にRetina化されたMacBook Proを手に入れて、日米の出張も多い中、このアイディアはとてもうまく働いてくれたと思います。またOS X El Capitanを導入すると、アプリ起動などの動作はYosemite時代よりも早くなり、普段であれば買い換え意向が後退してしまいました。

 とはいえ、PodcastをGarageBandでちょっとでも編集し始めれば、ファンが唸り、音声入力に向かない環境を作り上げてしまうマシンでもあるのです。4K動画の編集なんてもってのほか、というか怖くて試していません。

 そうした状況を考えると、4K動画を軽く編集できてしまうiPad Proの方がパフォーマンスは期待できるわけですが、一方でiPadだけで作業を完結させられる状態でもないというのが実情です。


(次ページでは、「結局、まだ現状維持か?」)

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