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空調には間接外気冷房方式を採用、ラック収容スペースも高密度化しコスト削減図る

さくら石狩DCが3号棟建設発表、空調&設備は新コンセプトで

2015年10月01日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 さくらインターネットは9月30日、同社が北海道に構える石狩データセンターにおいて、3号棟の建設を決定したことを発表した。新たな空調コンセプトを採用するとともに、ラック収容スペースの高密度化なども図り、トータルコストの削減を図る。竣工時期は2016年冬の予定。

さくらインターネット 石狩データセンター 3号棟の鳥瞰パース(奥が新設される3号棟、手前が1・2号棟)。今後、4・5号棟が3号棟の左右に建設されると、3号棟が石狩データセンターの“ハブ”となる

 さくらインターネットでは、郊外型大規模データセンターである石狩データセンターの1・2号棟を2011年11月から運用している。すでに1号棟のラック稼働率は9割を超え、2号棟の利用も進んできていることから、今回、3号棟の新設を決定した。

 3号棟は地上3階建、延床面積は1万2270平方メートルの建屋で、スペース効率を最適化した設計により、最大収容ラック数は1924ラックとなる。1号棟の500ラック、2号棟の600ラックと合わせ、石狩データセンターの合計ラック数は最大3000ラックに達することになる。

空調には間接外気冷房、上部壁吹き出し方式を採用

 石狩データセンター1・2号棟では、北海道の低温外気をサーバールーム内に直接取り込む「直接外気冷房方式」を採用している。これにより一般的な都市型データセンター比で約4割の消費電力を削減し、通年外気冷房のみでPUE=1.11、夏季に従来型の空調運転をおこなった場合でもPUE=1.21という高水準のエネルギー効率を実現している(PUE値は同社サイトより)。

 今回新設される3号棟では、1・2号棟での運用経験に基づく知見を盛り込み、まったく新しい空調コンセプトを採用した設計がなされる。

 まず空調には、外気を直接サーバールームに取り込むのではなく、空調機と室外機の間を循環する冷媒を外気で冷やす「間接外気冷房方式」を導入する。エネルギー効率は直接外気冷房方式に及ばないものの、外気によるサーバールーム内の湿度変動がないため、除湿器/加湿器や給水が不要となり、総合的なランニングコストの削減ができると判断した。間接外気冷房モードでのpPUE(サーバールームのみのPUE)は1.11を見込む。

間接外気冷房方式の概要図。サーバールームを冷却するための空調機の冷媒を外気で冷やす方式(夏期にはチラーも併用する)

 またサーバールーム内の空調には、大型ファンでゆるやかな冷風をサーバールーム全体に行き渡らせる「上部壁吹き出し方式」を新たに採用する。ラック上部まで冷風を運ぶ天井吹き出し方式と比べて送風ロスが少なく、また横壁吹き出し方式のように冷風が作業者に直接当たってしまうという課題も解決する。

上部壁吹き出し方式の気流シミュレーション。壁上部からゆるやかに吹き出す冷風をサーバールーム全体に行き渡らせる

電動フォークリフトが内部を走行可能、配電設備も新方式に

 また設備面においても、3号棟では運用効率をさらに高めるための設計が行われている。

3号棟(画像中央)の外観パース。画像左の1・2号棟は曲線的なデザインが特徴だが、3号棟は直線的なデザインとなる

 まず、大型機器の導入や大量の機器搬入に対応するため、搬入口からサーバールームまで、電動フォークリフトでの走行を可能にする。これにより、たとえばサーバー搭載済みで納品されるラックなどへの対応も容易になる。

 また配電設備では、配電盤から各ラックに直接ケーブルを敷設する従来方式ではなく、プラグイン分岐機構を持つ「バスダクト方式」を全面的に採用する。これにより、ラック増設時や供給電力変更時などの電気工事が不要になり、電力使用の拡張性や柔軟性が向上するとしている。

配電設備ではプラグイン分岐機構を持つ「バスダクト方式」を全面採用する。ラック増設などが容易になる

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