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業界人の《ことば》から 第163回

企業家は数学者と違い、直面した課題に気付けばすぐ起き上がる、その解決が社会的利益を生む

2015年09月24日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

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自動運転に対しても意欲を見せる

 だが、その一方で将来の自動運転の世界を見据えて、こんな言及もしてみせた。

 「自動運転ができるようになると、クルマを持てない人や、バスや鉄道がないところにも、運転手がいらないバスを走らせることができる。安いところまで値段を落として、多くの人が使えるようにしたい」とし、「10~15年後になるかもしれないが、UBERがそうしたことを解決することができるかもしれない」とする。

 だが、その一方で、自動運転によるドライバーの雇用が失われる可能性もある。

 「UBERには、共有側と利用側の双方の2つの観点がある。だが、年間3万人の交通事故死亡者をなくさなくてはならないという課題もある。いいものの一部になることが大切であり、そのために技術を活用していく必要がある。新たな技術や新たな考え方を活用して、新たなことを実現したい。そこに、新たな仕事のやり方が出てくる」とする。

 カラニックCEOは、あくまでも起業家としての意識が強いようだ。

 「数学教授は、この問題が解けないという理由で、朝起きあがることはない。だが、起業家は直面した課題に気がつけばすぐに起きあがる。課題を解決して、社会的利益に変えていきたい。いまは、過渡期。それを乗り越えるリーダーシップが必要である」

 UBERは形を変えながら進化し、それによって社会そのものを変えていくことになりそうだ。

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