このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

業界人の《ことば》から 第163回

企業家は数学者と違い、直面した課題に気付けばすぐ起き上がる、その解決が社会的利益を生む

2015年09月24日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集●ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

今回のことば

「将来は、すべてのクルマをUBER(ウーバー)にしたい。そうすれば、渋滞が無くなり、家族と過ごす時間が1時間増える」(米UBERのトラヴィス・カラニックCEO兼ファウンダー)

 米セールスフォース・ドットコムが、2015年9月16日からの3日間、米サンフランシスコで開催したDreamforce 2015において、同社・マーク・ベニオフCEOと対談したのが、UBERのトラヴィス・カラニック(Travis Kalanick)CEOであった。

右がUBERのカラニックCEO、左はセールスフォース・ドットコムのベニオフCEO。

 UBERは、2009年に創業したタクシー配車サービス。タクシー会社やハイヤー、リムジン会社と契約して、それらのクルマを効率よく配車するだけでなく、UBERと契約したドライバーが、自らのクルマで営業を行っているのが特徴。それにより、多くのクルマがUBERの契約車として営業している。

UBERはスマホを使ったタクシー配車サービス

 利用者は、スマホから呼び出せば、すぐ近くを走るUBERと契約したクルマが配車され、料金の支払いもスマホ上で行われる。行き先もスマホ上から事前に指定できるので、乗ってから行き先を告げるということもない。

 日本でも2014年からサービスを開始しているが、日本のルールではタクシーとしての営業が行える会社が決まっており、米国のように一般ドライバーが登録すれば営業できるわけではないため、広がりや料金の低価格では、成果が限定的となっている。

 現在、サンフランシスコだけで、1分間に平均数1000台のタクシーへの乗車があるという。

 「6年前には、タクシーのドライバーにとっても、乗る人にとっても、どちらもうまく行っている状況ではなかった。当時、リムジン会社の人に話を聞いたりしたが、半分の人が話を聞いてくれなかった。だが、ドライバーの3分の1がいいといってくれた。一方で、乗る人はどうだったか?調査をしたらまったく問題がなかった。ここで、市場性があると考えた」とカラニックCEO。創業からわずか5年間で、タクシー業界を大きく変えてみせた。

 カラニックCEOは、「早く迎えに行くことができ、A地点からB地点まで、効率性の高い移動を可能にするという信頼性も実現している」と、これまでの実績に自信をみせる。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ