今回のことば
「ソニーストアなど、それぞれのテナントがつながることができ、西鉄ならではの魅力による建て替えができた」(西日本鉄道・倉富純男社長)
福岡はソニーへの人気が高い地域
全国4店舗目となるソニーストアが、2016年4月、福岡・天神に出店することが決定した。
ソニーストアは、ソニーマーケティングが運営する直営店舗として、2004年に大阪・梅田、2009年に東京・銀座、2010年に名古屋・栄に出店。現在、全国3店舗を展開しており、福岡への出店は、それに続くものとなる。
ソニーストアでは、最新のソニー製品を一堂に展示。ソニー製品に熟知した専門スタッフが接客を担当するとともに、発売前の製品にいち早く触れることができるなど、直営店舗ならではの売り場づくりが特徴となっている。
とくに福岡県におけるソニー製品のユーザー登録をみると、ID発行の全国比率は6%に達しており、福岡県の人口比率の4%に比べても多いことがわかる。
ソニーマーケティング カスタマーマーケティング本部の浅山隆嗣本部長は、「ソニーにとって、九州市場のポテンシャルは大きく、顧客満足度を高めるためには欠かせない拠点となる。ソニーのファンづくりの拠点として、また最新情報の発信基地としての役割を果たすことになる」と語る。
ソニーストア福岡天神は、福岡市と西日本鉄道(西鉄)が共同で建て替え事業を行っている福岡中央児童会館の1階、2階部分に入居することになる。
国体道路と天神西通りが重なる場所にあり、国体道路を挟んで反対側には、アップルストア福岡天神が出店。また、隣接する場所にはTSUTAYA BOOK STORE TENJINが出店。アシックスストア福岡も目の前だ。また、天神西通りには、H&Mやフォーエバー21などのファストファッションが軒並み出店。アップルストアを中心として、新たな人の流れが生まれているエリアでもある。
西日本鉄道の倉富純男社長は、「新たなビルは、子供連れの親子をはじめ、天神を回遊してもらうための拠点になると考えている。そして、新たなビルのなかでも、融和したテナント構成となっており、それぞれのテナント同士がつながることもできる。西鉄ならではの魅力による建て替えができたと考えており、天神を、面として捉えた広がりを提案できる」と語る。
8階建てのビルの4~8階には、福岡市が運営する中央児童会館と、NPOボランティア交流センター「あすみん」が入居。さらに、1階スペースの一部には、ソニーストアのほかに、カカオから手作りしたチョコーレートを提供するカフェ「green」の国内2号店が出店。3階には福岡に本社を置くグルーヴノーツが、3Dプリンターなどを活用したデジタル工作スペース「TECH PARK MAKERS」と、学童保育機能も持つITテクノロジー学習施設「TECH PARK KIDS」を開設する。
西日本鉄道・堀江広重執行役員は、「ソニーストアにしても、グルーヴノーツにしても、中央児童会館と親和性がある。子供たちの創造力をかき立てることができるいいテナントに入ってもらった。とくに、ソニーストアは、こちらからお願いして入居していただいた」とする。
中央児童会館という子供が集まる公共施設が入る建物だけに、ソニーマーケティング直営店のソニーストアが入居することは、ビルの価値をあげることにもつながる。また、ソニーマーケティングとしても長年に渡って、ソニーストアの福岡進出を模索していただけに、この物件はまさに的を射たものだったといよう。
ソニーストア福岡天神では、1階、2階の2フロア、600平方メートルを使用。1階は体験型の製品展示を中心に、製品販売を目的とした構成に、2階フロアは、セミナー、イベントなどの活用を視野に入れた体験型スペースにする計画だ。さらに、2階部分には、ソニーコンスーマーセールス九州支社が入居。「ソニーストアと支社、営業拠点が同じ場所に入居するのは初めてのことになる」(ソニーマーケティング カスタマーマーケティング本部の浅山隆嗣本部長)という。
店舗のレイアウトなどについてはこれから詳細を決定していくことになるが、デジタルカメラのシューティングスペースの設置や、海外旅行客向けの製品の販売なども計画しているという。
また、他のソニーストアでも実施しているように、新製品の発売前の先行展示も実施する予定だという。ソニーストア福岡天神が、九州で、いち早くソニーの新製品を見ることができる場所になるというわけだ。さらに、デジタルカメラの使い方や楽しみ方を提案するセミナーなどもこまめに実施する予定だという。
道を挟んで反対側にはアップルストアという立地は話題を呼びそうだが、ソニーマーケティングや西日本鉄道では、むしろ、集客面では相乗効果が生まれるものと期待している。
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