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価格・機能・拡張性、そして音質、すべてが常識を逸脱

Astell&Kern AK380は、色々な意味でDAPの概念を変える

2015年06月12日 15時00分更新

文● きゅう/ASCII.jp

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大型化したAK380だが、デメリットばかりではない

 一方で本体サイズは幅79.8×奥行き17.5×高さ112.4mm/重量は約218gとなった。AK240と並べるとかなり大型化している。携帯性という観点では少し持ち運びにくくなったと感じる人もいるだろうが、デメリットばかりではない。

見てのとおり画面が大きい。並べるとAK240が小さく見えるほど。

 というのも、筐体が大型になれば放熱面でも、内部の回路レイアウトの自由度についても有利だからだ。特にAK380のような多機能なプレーヤーでは、内部のデジタル/アナログの回路も当然複雑になる。その際、デバイス間の距離を離して干渉を減らしたり、GNDも広く取れるという点はメリットになる。

 例えば、Wi-Fi/Bluetoothに対応した無線関連、複雑な機能を処理するシステムLSI、そして倍の回路が必要なバランス駆動対応のアンプなど。これらが干渉して音響に影響を与えないようにするためには、ゆとりある筐体を使う意味が大きい。

アルバムの一覧性の高さは大画面の魅力のひとつだ。

 また、大画面という魅力もある。画面サイズはAK240が3.31型、AK380が4型(解像度はともに480×800ドット)なので、面積は1.4~1.5倍ほど広い計算となる。一画面に表示できる情報もより多くできるわけだ。たとえばアルバムジャケット表示では、AK240が2×3枚となるのに対して、AK380では3×4枚となる。1画面により多くのジャケットが並ぶため、検索がしやすい。

 DLNA経由での選曲に加え、内蔵256GB、microSDカードの追加で128GBとかなりの楽曲数を保存できるプレーヤーであるだけに、一覧性の高さは重要だろう。タッチ操作でも、ボタンが相対的に大きくなり、使いやすくなる。

 音楽プレーヤーとしては副次的な要素かもしれないが、ディスプレーの色合いもかなり改善されている。AK240と並べるとジャケット写真の鮮やかさが増していると気付く。アルバムジャケットも音楽の世界観をあらわす重要な演出であるから、良質であればあるほどいいのは当然だ。

大型化したAK380だが、デメリットばかりではない

 実際に手にしてみる。デザインは独特だが、ホールド感は思いのほか優れており、それほど重量感を感じない。胸ポケットは無理でも、ジャケットのポケットなら十分に入るサイズなので、携帯する場合でもそれほど不便はないだろう。

 ちなみに厚さはAK240と同じなのだが、画面が大きくなるため、見た目そして手に持った感触では薄くなったような感覚になるから不思議だ。画面が大きくなり、全体の扁平率が変わったせいだと思うが、単体で見れば、そこそこ薄い機種だなとも思える。

上がAK240、下がAK380.ダイヤルの位置の違いが分かる。

 素材に関してはジュラルミン削りだしで背面にカーボン素材を使用。ここまではAK240と共通だが、前後のカバーをアクリルパネルではなく、AK240 SS同様、より強度の高いGorilla Glassに変更している。

音量調整&メニュー操作用のダイヤルはAK100以来の伝統的なデザイン。

 「直方体に斜めから光を当てた陰」をデザインに盛り込むというコンセプトはAK240譲りだが、AK240が「左上1点から光を当てている」のに対して、AK380では「複数の向きから当てた光」の影を合成して、より複雑な多面体形状を作っている。結果的に、両側面が少しくびれた形状となり、幅広でも手にフィットしやすい。ボリュームボタンの位置も指が届きやすい位置に移動した。ローレットの入った高品位な形状だ。

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