トヨタ生産方式に学んだ、10年以上にわたる生産革新
ひとつは、絶え間ない革新活動の成果があげられる。
富士通アイソテックでは、2003年からトヨタ生産方式による生産革新運動を開始。これをベースとしたFJPS(Fujitsu Production System)へと進化させ、生産性向上や効率化によるコスト削減と、品質向上を両立してきた。
2004年に比べて、PCの製造手番は80%も削減するとともに、PC棚残は24%削減。また、生産性は3.8倍に向上し、不良率は半減するといった成果が出ているという。
富士通アイソテックの岩渕敦社長は、「デスクトップPCの生産を開始した当初は、組立工程と、試験工程を分けていたり、人を数多く配置し、多くの部材が在庫されていた。いまでは、ひとつの工程内で組立と検査が行われ、部品も適切なタイミングで、適切な量が供給できる環境が整っている。さらに、異なる複数の製品が生産できるライン編成としたほか、PCサーバーの生産ラインで、デスクトップPCを生産することも可能であり、需要変動にあわせた柔軟な生産ラインの構築が可能になっている」とする。
従来は、E棟と呼ばれる生産棟1階にPCサーバー、2階にデスクトップPCの生産ラインを配置していたが、これを一昨年、E棟の2階フロアに統合。デスクトップPCの生産ラインを6本、PCサーバーの生産ラインを5本配置している。
1フロア化によって、部材供給の効率化や生産の効率化を実現。2014年4月に迎えたWindows XPのサポート終了および消費増税前の駆け込み需要によって急拡大したPCの需要増にあわせて、PCサーバーの生産ラインで、デスクトップPCの生産を行うことで増産。、デスクトップPCの需要変動に対応するといった取り組みも行った。
また、富士通アイソテックが独自に開発した数々の治具も、生産ラインの効率化に寄与している。
昨年、すべてのラインに本格導入した給電装置は、デスクトップPCやPCサーバーのようにバッテリーを持たない生産の検査を行うために、インライン上で電気を供給するもので、トロリーボックスを通じて電気を供給。ライン上を流しながらデスクトップPCの試験を行うことができる。
従来は、電源に接続するために一度ラインから外して、検査を行っていたが、こうした煩雑な作業が無くなることで、生産性が一気に高まった。
こうした細かい努力が、富士通アイソテックの競争力強化につながっている。
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