日本の流行りは「#ザ壁部」
―― 今、Instagramで流行っていることはなんですか?
ダン ニューヨークのイベントで、EmptyMETというものがありました。Emptyは空の、という意味で、METはメトロポリタン美術館。特定のユーザーを招待して、誰もいないメトロポリタン美術館で写真を撮れる機会を提供したんです。これをEmptyシリーズにして、ほかの場所でもやりまして、ボリショイ劇場やルーブル美術館など、名の知れた建造物で写真を撮るイベントを特別にやっています。
―― 日本ではどうですか?
三島 日本の代表的なハッシュタグだと、「#ザ壁部」があります。ハッシュタグで見ると、4万9000枚の写真がシェアされています。見ると壁ばかりです。
―― 壁じゃないのもありますね(笑)。
三島 「人壁」というのもあります(笑)。これを始めたユーザーさんが壁の写真ばかり投稿していて、それにインスパイアされて、かっこいい壁を撮る人たちが増えてきています。#ザ壁部だけでInstaMeetをしたりしています。
ダン ハッシュタグから「こんなにおもしろい壁がある」と感じる写真が流れてきて、同じように写真を撮ってみようと思いますよね。今まで自分で写真を撮っているだけだと見つからないであろう、クールな視点というものが、ほかのユーザーの写真を見ることによって、「こういうことができるんだ」とわかります。それは限られたクリエイティビティーを広げる手助けになっているかなと思います。
ユーザー同士をつなげるのがミッション
―― 今後の目標があれば聞かせてください。
三島 来年もコレ(カレンダー)を作ります。
全員 (笑)。
ダン 自分の知らないところでなにが起きているのか、自分と同じ興味を持っている人がなにをしているのか、そういう世界を広げることが大事だと思っています。ユーザーが今までリーチできなかった、自分の興味に対する扉を開いていただけるようなお手伝いをしたいです。Instagram上でいろいろなことが起こっている中、どうやって人と人をつなげるかが非常に重要だと思っています。そこはコミュニティマネージャーのこれからのミッションとして追及していきたいと思います。もちろん、カレンダーを作るのも目標です(笑)。