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初のSoftLayer Summitの基調講演でまずは20台を立ち上げ

12万台のサーバーを700名で管理!SoftLayerの魅力はAPI

2015年02月12日 12時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月12日、IBM SoftLayerの技術カンファレンスである「Japan SoftLayer Summit 2015」が開催された。基調講演ではSoftLayerのエバンジェリストが登壇し、SoftLayerの概要や最新動向、今後の動向などを説明した。

20台のサーバーをPythonスクリプトからデプロイ

 SoftLayer Summit 2015はSoftLayerユーザーのコミュニティを中心にした実行委員会が主催した技術イベント。冒頭に挨拶した日本IBM クラウド・エバンジェリストの北瀬公彦氏は、昨年立ち上がった日本のSoftLayerコミュニティが全国700名規模に拡大していることを紹介。また、昨年オープンした東京データセンターでは、「1日50~60、多い時は200件のオーダーを受けていると聞いている。週に2~3回くらいの頻度で米国で機材を送られてきて、エンジニアがそれを追加しつ続けている」と好調ぶりをアピールした。

日本IBM クラウド・エバンジェリスト北瀬公彦氏

 基調講演に登壇した米SoftLayer リードテクノロジーエバンジェリスト フィリップ・ジャクソン氏は、「ポータルを使うのが一般的だが、大規模なデプロイはこちらの方法が便利だ」と語り、いきなりPythonのスクリプトからAPI経由で20台のサーバーを立ち上げるというデモからスタート。講演後にデモの結果を見ようという趣向だ。

米SoftLayer リードテクノロジーエバンジェリスト フィリップ・ジャクソン氏

 ジャクソン氏が考えるSoftLayerの最大のアドバンテージは透明性。ユーザーがローカルリソースの延長として使えるよう、リソースを完全にコントロールできるのが売りだ。データセンターの拡充も進めており、昨年開設した東京データセンターのみならず、オーストラリアやカナダ、イタリア、ブラジルにもデータセンターを新設したという。

 こうしたSoftLayerのデータセンターは、1万フィートの「ポッド」という単位で構成されており、1つのポットに150ラック、4000ノードが収容されているという。「どこでも同じ構成なので、エンジニアは作業しやすい。ポッドの中で障害を封じ込めることもできる」(ジャクソン氏)。また、各サーバーはパブリック、プライベート、設定用のアウトオブバンドの3つのネットワークに接続されており、それぞれでケーブルの色が異なっているのも特徴だ。

データセンターのポッドデザインが標準化

3つのネットワークでケーブルの色が異なる

 同社のコアとなっているのはAPIだ。「12万台のサーバーを700名で管理していた。これができたのは、自動化、スクリプト、エンジニアのインテリジェンスなどをAPIに反映していたからできた」と語る。APIを使えば、モバイルページ、Webサイトなども構築・設定できるほか、APIを扱うためのコマンドラインツールも用意されているという。

2015年も全方位で強化を続ける

 続いてジャクソン氏は、2015年の動向について説明した。

 まずはセキュリティ対策。昨年はIDS/IPSを活用したセキュリティ対策を展開していたが、2015年は統合ID管理、鍵やAPIのログ管理を導入する。さらにインテルの「TXT(Trusted Execution Technology)」を用いたハードウェア認証を導入。「マシンで動いているプロセスが本当にユーザーのものかをチェックし、侵入者のプロセスでないことを担保する」という。

IntelのTXTベースを用いたハードウェア認証を導入

 ストレージに関しては、データの分散化を図りつつ、冗長性の削減も進めるという。「通常は冗長度を高くしていくが、高価なストレージを使いたくない。サムネイルのキャッシュや利用度の低いデータなどは冗長度を下げ、安価に提供できるようにしたい」(ジャクソン氏)。ネットワークはファイアウォールの設定、VLANの自動化を推進。さらにコンピュートに関しては、Haswell CPU搭載によって性能向上を図るとともに、プロビジョニングの高速化も実現していくという。

 ジャクソン氏は、冒頭にスクリプトを実行した20台のサーバーがきちんとデプロイされているのを聴衆に見せ、講演を締めた。

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