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機密データの国内保持や低遅延でのベアメタル利用が可能に

エコシステムも拡充!SoftLayerが東京データセンターを開設

2014年12月22日 15時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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12月22日、日本IBMはSoftLayerの東京データセンターが8時にオープンしたことを発表した。発表会では、4社のパートナーも登壇し、エンタープライズ向けのクラウドを謳うSoftLayerへの期待を示した。

22日の8時に東京データセンター開設

 SoftLayerの東京データセンターは、2014年11月に「年内開始」を発表したばかり。22日の8時に開設された東京データセンターは、他のデータセンターと同じアーキテクチャを採用しており、1万5000台のサーバーが用意される。日本IBM 執行役員 クラウド事業統括担当の小池裕幸氏は「X-Dayが今日であろうという話はコミュニティ内では流れており、8時の開始以降すでに多くのオーダーをいただいている」とアピールした。

日本IBM 執行役員 クラウド事業統括担当 小池裕幸氏

 今回の東京データセンターの開設によって、国内でのデータ保持が可能になるほか、SoftLayerでの大きな売りとなるベアメタルサーバーを低遅延な環境で利用できるようになる。また、3色に色分けされたパブリック、プライベート、管理用の3ティアネットワークにも対応。日本語Webサイトもオープンするほか、テクニカルサポートの日本語対応(平日9時~17時)も開始する。

SoftLayerの東京データセンターオープン

 小池氏は、「シンガポールやシドニーのデータセンターとも高速なネットワークで接続されていたので、動画配信やよほどな低遅延を求められない限りは、十分対応できていた。しかし、業務データを国内に保持したいというニーズが高かったほか、ハイブリッドクラウドとしてオンプレミスとつなげる場合はやはり両者が近いほうがよい。あとは日本語でのオーダーやサポートが欲しいという声があった」と語る。

 業界業務に特化したプロファイルも拡充された。11月発表時は11個だったが、サードパーティにより、組み立て加工業や中小プラント構築業、運輸業、アパレル業、製造業IT-BCP、Connected Vehicleなどのプロファイルが追加され、全部で17個となった。

1000社以上の顧客、160社のSoftLayerパートナー

 日本でのSoftLayerの顧客ベースも、2013年第3四半期から2014年第3四半期までで600%以上拡大し、現在では1000社を突破。SHカッパープロダクツ、金沢工業大学、筑波銀行、ティ・エス テック、東京都環境局、プラス、本田技術研究所、マツダ、ミラノEXPOメディア情報実行委員会準備委員会、リコーなど、東京データセンターの採用を決定した企業や団体も披露された。

東京データセンターの採用を決定した各社

 発表会ではエコシステムに関しても披露された。現時点でのSoftLayerパートナーは160社で、11月から同日までにエス・アンド・アイの「S&I クラウド・マネージドサービス」、位置情報とITを組み合わせたコミュニケーション・プランニングのソリューション、SoftlayerのAPIを活用したクリエーションラインのポータルサービス「SETTA」、ニスコムのHPCクラウド専用のセルフポータル「OptiClouds FrontGate」(SoftLayer対応版)などが発表されている。

パートナーのクリエーションライン、エスアンドアイ、パイオニアVC、ニスコムと、日本IBMの小池氏

 さらにコミュニティ活動も立ち上がりつつあり、ユーザー会員数は1000名、勉強会は15回におよんでいるという。2015年2月12日には「Japan SoftLayer Summit 2015」の開催も決まっており、15を超える技術セッションが行なわれる。

 小池氏は、「SoftLayerの強みはあくまで企業のために作られたという点。ベアメタルももともとセキュリティとパフォーマンスのために出てきたが、今ではDockerのような使い方も出てきたし、顧客専有のBluemix環境も立ち上げてもらえる」とアピールした。

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