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まつもとあつしの「メディア維新を行く」第49回

アニメを変革する“3DCG”という刃――サンジゲン松浦裕暁社長インタビュー

劇場版公開中『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』がアニメに与えたインパクトとは?

2015年02月17日 17時00分更新

文● まつもとあつし 編集●村山剛史/ASCII.jp

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(C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

 フル3DCGアニメが熱い。『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-』『シドニアの騎士』『楽園追放 -Expelled from Paradise-』が立て続けに話題となり、2015年に入ってからは『ベイマックス』が注目を集めている。

 トイ・ストーリー以来、全編を3DCGで制作するアニメは増え続けたが、一方で手描きの味わいには敵わないという声も日本では根強かった。いま、その流れが逆転しつつある様子を私たちは目の当たりにしている。

 そこで今回は、日本初のハイエンド3DCGテレビアニメシリーズ『蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-(以下アルペジオ)』を手がけ、先月末からは『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-DC』(以下アルペジオDC)が公開中のサンジゲン代表取締役 松浦裕暁氏に再び話を聞いた(参考:前回の松浦氏インタビュー)。

『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-DC』ストーリー

(C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

 21世紀中盤、温暖化に伴う海面上昇により、人類は地上での版図を大きく失った。
 その混乱に呼応するかのように世界各地に現れた【霧の艦隊】にすべての海域を封鎖され、人類は疲弊の一途を辿っていた。
 横須賀・海洋総合学院の士官候補生・千早群像の前に現れた霧の艦隊の潜水艦【イ401】。敵であるはずのイ401、そのメンタルモデル・イオナは群像に囁く。「千早群像、私に、乗って。」
 閉塞した現状を打破するため、学院の同級生らと共にイ401に乗り込み、艦長として指揮を執る群像のもとに、日本政府高官である上陰龍二郎から極秘の依頼が届く。「人類の切り札を、アメリカに届けて欲しい」。日本が開発した対「霧」最終兵器・【振動弾頭】のサンプルを、量産のために米軍に届けるのだ。
 上陰の依頼を受け、アメリカを目指すイ401の前に立ちはだかるのは、大戦艦コンゴウを旗艦とする霧の東洋方面第一巡航艦隊。重巡洋艦タカオ、マヤ、大戦艦ハルナ、キリシマ――
 次々に襲いかかる霧の艦船との戦いの中、イオナは成長していく。人類と霧のメンタルモデル、それを隔てるものは何か。コンゴウとの壮絶な決戦を経て、サンディエゴに「人類の切り札」を届けた群像たちの次なる目的は?そして新たに立ちはだかる影は――――

 2015年1月31日(土)より新宿バルト9、池袋サンシャインシネマ他で公開中。

(C)Ark Performance/少年画報社・アルペジオパートナーズ

スタッフ
原作:Ark Performance「蒼き鋼のアルペジオ」(少年画報社/月刊「ヤングキングアワーズ」連載)、監督:岸誠二、助監督:柿本広大、3DCGアニメーションディレクター:鈴木大介、構成:上江洲誠、SF考証:森田繁(スタジオぬえ)、脚本:上江洲誠/森田繁/中村浩二郎/日暮茶坊、キャラクターデザイン:森田和明、メカデザイン:松本剛彦、美術監督:宮越歩、色彩設計:伊東さき子、撮影監督:奥村大輔、編集:廣瀬清志(eDiTz)、音響監督:飯田里樹、音響効果:奥田維城、音楽:甲田雅人、主題歌:「Rock on.」ナノ、OPテーマ:「Blue Snow」Trident、アニメーション制作:サンジゲン、製作:アルペジオ・パートナーズ、配給:ショウゲート

キャスト
千早群像:興津和幸、イオナ:渕上舞、タカオ:沼倉愛美、ハルナ:山村響、コンゴウ:ゆかな、マヤ:MAKO、ヒュウガ:藤田咲、キリシマ:内山夕実、イ400:日高里菜、イ402:山本希望、織部僧:松本忍、橿原杏平:宮下栄治、四月一日いおり:津田美波、八月一日静:東山奈央、刑部蒔絵:原紗友里、ヒエイ:M・A・O、ミョウコウ:福原綾香、アシガラ:三森すずこ、ナチ:佐藤聡美、ハグロ:五十嵐裕美、ムサシ:釘宮理恵、千早翔像:中田譲治 ほか


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105分の映画『009 RE:CYBORG』から
計300分に及ぶテレビシリーズへのステップアップ

サンジゲン代表取締役 松浦裕暁氏

―― 2012年に公開された『009 RE:CYBORG』は105分の劇場作品でした。そこから2年足らずで1クール12話のテレビシリーズ(アルペジオ)が生まれたのは衝撃的でした。

松浦 サンジゲンを設立して以来、フル3DCGでハイエンドなテレビアニメを作るというのは1つの目標でしたからね。

 次回予告(『迷い猫オーバーラン!』)や戦闘シーン(テレビ版『ブラック★ロックシューター』)、そして劇場作品(009 RE:CYBORG)と、シミュレーションと実践を重ねていくことで、「自分たちのセルルックアニメーション技術であれば十分に可能だ」という自信を持つようになりました。

『迷い猫オーバーラン!』(バンダイチャンネル無料配信分)。サンジゲンは、セルルック3DCGを使った次号予告を毎回担当(2010年)。


サンジゲンは、異世界での戦闘シーンなどを担当(2012年)。

映画『009 RE:CYBORG』製作発表PV。サンジゲンはアニメーション制作を担当(2012年)。全編がセルルックの3DCG(+3D立体視)ということで話題を呼んだ。


―― それはクリエイティブ面だけでなく、従来の方法で制作されているテレビアニメーションの予算や規模感と比べて……という観点からもですか?

松浦 そうですね。目標を立てた頃(『機動戦士ガンダム00』のCGパートを制作中)は机上の空論だったんですが、だんだんと「できる」というイメージが固まってきました。

 そして、様々な作品のなかでサンジゲンが作ったCGキャラクターを登場させる機会が増えていったわけです。そんななかの009 RE:CYBORGでした。100分/1000カットなら全編でもできそうだ、と。

 もちろん、プリプロや編集、背景はプロダクション I.Gさんにお願いしましたし、アニメーションのノウハウについても学ばせていただきながら、でしたが。結果、もちろん改善すべき点はありますが、クオリティーとしても商品として世の中に出すことができる、という確信を得ました。

 ちょうどそんなときに、フライングドッグさんからアルペジオのお話をいただいたんです。もう即答で「やります!」と(笑)。

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