myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第40回
「実況プレイ動画」「艦隊これくしょん」「ラジオ」などの人気が増す
2014年もニコニコ動画は拡大中
2015年01月15日 18時00分更新
動画再生数は現在も上昇中
一方でマイリスト登録数が減少に
毎年12月上旬に同様のデータを収集していますので、過去1年間の数字を差分(2014年12月時点の数字から2013年12月時点の数字を引いたもの)で見ると、2013年12月から2014年11月の期間ではおよそ102億回動画が再生されたようです。実際には過去の動画の削除分の再生数が引かれていますのでさらに多くなります。
ちなみにこの期間に新規に投稿された動画だけの数字でみると、再生回数の合計は約52億回でした。2013年と同様、2014年中のニコニコ動画の動画再生の半数近くも2013年以前の過去の動画を見ているものと推定できます。
同様に、差分ベースで見るとコメント数は約2億3500万、マイリスト登録数は約9740万。対して新規投稿ベースではコメント約1億8000万、マイリスト約7680万となります。こちらも削除の影響はありますが、再生数と比較するとコメント・マイリスト登録は最近の動画にされている傾向が強いです。なお後述しますが、2014年は近年増加の続いていたマイリスト登録数が減少していました。
ちなみに1年間の動画投稿数は新規投稿ベースで196万、差分ベースで146万でした。2013年11月以前に投稿された約50万の動画がこの1年間で削除されたようです。過去動画の削除は2013年よりも拡大しています。
比較のため、過去の年間の数字とこれを比べてみましょう。なおデータは2013年12月から2014年11月のように若干ずれていますが、これを2014年分、以下1年ずつずれたデータを2013年・2012年というかたちでここでは扱っていきます。またデータの取得時期や対象範囲は毎年若干違いますので、おおざっぱな比較である旨をご了承ください。
2010年の数字を1として、差分ベース・新規投稿ベースの双方で各年の数字を比較したのがグラフ3です。
今回特徴的な動きとしては新着・差分の双方で年間の総マイリスト登録数が減少したことが挙げられます。新規投稿動画へのマイリスト登録数は年々増加していましたが、今回初めて減少しました。差分でもマイリスト登録数の増加は落ちていますが、差分増加分に対する新規増加分の比率は2013年よりも増えています。
ニコニコ動画のマイリスト登録はユーザーごとに有限の数字(一般会員は100件、プレミアム会員は1万件が上限)のため、長期間ニコニコ動画を使っているユーザーは過去動画のマイリスト登録を削りながら新しい動画をマイリスしています。
このため新しい動画ほどマイリスト登録数を集めやすく、過去の動画は逆に減らしていく傾向があるのですが、上述の通りニコ動の再生回数の半数は過去動画が集めているという近年の状況がありますので、相殺されてきているのかもしれません。
また最近のNicoBoxの公式アプリ化にもあるようなniconico非会員による利用や、あるいは会員でもマイリストを使用しないユーザーの増加などの傾向があるのかもしれません。
年間の再生数は差分・新規ともに2009年から2010年は増加、2011年で一旦減少していますが、2012年以降は2014年現在まで増加しています。
「ニコニコ動画の動画再生回数が半減した!」などとミスリードして2ちゃんねるまとめを紹介した記事が年初話題になりましたが(実際は動画再生の話ではなくドメインへのPCでの訪問ユーザー数のデータで、過去1年で急速に進展したPCからスマホへの主なアクセス手段の変化に伴うものと解釈するのが妥当と思われます)、実際のところ動画の再生数自体は前年比差分で17%増し・新規は8%増しほどで増加しています。
2014年も、それまでで最もニコニコ動画で動画が再生された年です。
一方で前回も指摘したとおり、再生数の差分(年間に再生数が増加した全体)に対する新規投稿分(2013年12月以降に投稿された動画のみの合計)の比率は2013年55%から2014年51%と、さらに新規投稿分の比率が低くなっています。新規投稿の再生数も増えてはいるのですが、過去の動画が再生される傾向はさらに高くなっています。
動画の投稿数は2011年をピークに年々減少しています。ほかの指標と比べるとゆるやかな減少ですが、maimai動画やうたスキ動画のように比較的簡易な投稿手段が整備されてきていても、動画の投稿自体はゆっくり減っているようです。差分と比較すると2012年の急激な落ち込みほどではないものの差が大きく、動画の削除が多かったことも伺われます。
コメント数については差分・新規投稿ともに同様に減り続けています。再生数の増加は続いていますので、コメントするユーザーの減少は継続した状況と思われます。
動画の投稿数でなく月ごとの動画を投稿したユーザー数で見ると、動画の投稿者の数は2011年の中頃にピークを迎え、以降は波がありつつも減少に向かっています。2013年頃は若干波がありましたが、2014年は5万名前後で安定した印象です。
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