ポータブルプレーヤーやUSB DACで好評を博している、Astell&Kernブランド。しかし今回はポータブルではなく据え置き。CDからリッピングした音源やダウンロードしたハイレゾ音源を1TBの大容量SSDにどどんと詰め込める、キューブっぽい形の多機能プレーヤーだ。Astell&Kernブランドの国内販売代理店アユートは7月19日、フジヤエービック主催のオーディオ関連イベント「ポタ研」で「Astell&Kern 500N」(AK500N)を国内初披露した。
2014年12月開催の国内正式発表の記事も公開されています。
特徴的な多面体デザイン、中身は高機能プレーヤー
AK500Nは直方体の一部を切り落としたような独特な形状を持つ、据え置き型のプレーヤー。本体サイズはおよそ幅220×奥行き240×高さ215mm。重さは約15kg。本体前面にCDをリッピングするためのドライブ、上部にタッチ対応のディスプレー(解像度1280×800ドット)を持つ。1TBと大容量SSDにCDからリッピングしたり、USB経由で取り込んだ楽曲を蓄え、タッチパネル操作で選曲や再生ができる仕組みだ。また、スマートフォン向けのリモコンソフトも提供する。
再生は最大24bit/192kHzのPCM音源のほか、2.8MHzまたは5.6MHzのDSD音源にも対応する。ファイル形式は現状WAV形式のみとなっているが、今後FLACやAIFF、ALAC、DFF、MP3 、WMAなど他のフォーマットにも対応していく予定だという。
本体には有線・無線のmネットワーク機能を内蔵しており、リッピング時の楽曲情報取得、DLNA機器との接続、開発元のiriver社が運営する音楽配信サイトから直接ハイレゾ音源を購入といったことが可能になる見込み。また、AK240などで取り入れた「MQS Streaming server」(PCにインストールすることで、保存されている楽曲をネットワーク経由でAKシリーズにストリーミング配信できるようにするサーバーソフト)も利用できるようになる見込みだ。
アユートの藤川氏は製品のコンセプトについて「音質を追求していくことに加え、ポータブルオーディオとホームオーディオで、365日24時間音楽を楽しんでもらう環境を構築していきたい」と話した。
また「人が持っている音源で一番多いのはおそらく家にあるCDだろう。とはいえ好きで買ったはずのCDも実際には、家に置いてあるだけで、ほとんど聴いていない状態ではないか。そのCDを本体(AK500N)に取り込んでもらうことで、16bitの音源の良さも改めて感じてもらえるのではないか」とした。
AK500Nは単にリッピングやダウンロードした音源を蓄えるだけでなく、USB DACとしても利用可能。ヘッドフォン端子を持つため、単体でも音楽再生を楽しむことができる。また、プリアンプとしても使えるため、パワーアンプとスピーカーを接続することも可能だ。アナログ出力は、バランス(XLR)/アンバランス(RCA)をそれぞれ2系統ずつ備える。デジタル入出力はAES/EBU、光デジタル(S/PDIF)、同軸デジタルなどとなっている。背面USB端子には外部ストレージの接続も可能だ。
AK500Nの価格や発売時期は未定。かなりの多機能製品となるため、価格もそれなりにあがりそうだが、インパクトのある価格を目指したいとのこと。