myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第30回
二次創作ではアイマスとラブライブ!は共存共栄が可能!?
似ているようで違うアイドルマスターとラブライブ!のpixiv事情
2014年07月17日 18時00分更新
モバマスが牽引するpixivでのアイマス人気
アイドルマスターのイラストのなかで投稿数の多いタグを見てみると、やはりキャラクター名を示すタグが多いようです。初期はアイドルの下の名前だけのタグが多かったですが(当時のニコニコ動画のアイマス動画のタグがそうだった影響と思われる)、2011年以降はフルネームのタグが定着したようです。
人気の高いアイドルはやはり初期から登場している「天海春香」「高槻やよい」「如月千早」「菊地真」などが多く、上位はアーケード版や最初のXbox 360版以来のキャラクターが目立ちます。特に「天海春香」は2008年以降、常に投稿数トップに位置しています。
2009年、2010年は「アイドルマスターDS」のキャラクターで女装男子という特徴のある「秋月涼」の投稿が多く、上位アイドル陣に迫る勢いがありました。また「アイドルマスターSP」を初出とする「我那覇響」「四条貴音」も人気が高く、その後の「アイドルマスター2」やテレビアニメ版でメインメンバーに組み込まれたことで、上位のアイドル陣として定着しました。
2012年からはモバマス人気が高まり、2012年は「双葉杏」、2013年は「輿水幸子」とシンデレラガールズの特徴的なアイドルが上位に加わっています。この時期の15~20位前後には他複数のモバマスのアイドルの名前もありました。
モバマスはキャラクター数が多いためキャラクター人気は分散しがちですが、2012年以降では約半数の投稿イラストがモバマス関連となっており、近年はモバマス人気が牽引してきた部分が大きいようです。またここではアイドルの名は出てきませんでしたが、「アイドルマスターミリオンライブ!」のイラストの投稿も増えているようです。
またグラフ4で上位に「R-18」「漫画」のタグがあるように、アイドルマスターではR-18イラストや漫画投稿は比較的多いようです。以下のグラフ5にpixivのアイドルマスターイラストのR-18・漫画投稿の比率の推移を示しました。
なお今回はタグではなく、イラストのR-18設定と漫画投稿機能の使用の有無(多ページ投稿か否か)を確認して比率を出しており、前回までのR-18、漫画のタグの比率とは数字が異なります。こちらのほうが正確な数字が取れるため今回以降採用します。傾向としては、R-18はタグの場合とほとんど変わりませんが、漫画投稿については半数以上のイラストで漫画タグがないため、漫画タグでの比率の倍程度となります。ご注意ください。
アイドルマスターイラストはpixiv初期からR-18タグの比率は高く8%前後、その後モバマス人気以降は増加の傾向があり、現在は月に投稿されるイラストの1割前後がR-18です。
漫画投稿は機能が実装された2009年から増加を続けており、現在は2割以上の投稿が漫画投稿(いわゆる漫画だけでなく多ページの落書きまとめ等を含むため注意)となっています。ちなみに漫画タグの比率で言うと2014年前半は約12%で、おおよそ半分です。これまで調査した作品のなかでは比較的漫画投稿が多い部類と言ってよいでしょう。
月別に比率の変化を見ていくと、例年4月、7~8月、12月にR-18・漫画投稿ともに比率が高くなっていることが分かります。これらはそれぞれCOMIC1ら春イベント、夏コミ、冬コミが開催されている時期であり、イベント前の同人誌の宣伝の投稿が増える時期であるため、いわゆるエロ同人の見本として抜粋した漫画などがよく投稿されているのではないかと思われます。
二次創作の活力源は
ニコニコ動画=素材、pixiv=キャラクター
ニコニコ動画、pixivともに2007年から現在まで根強く人気があり、このように二次創作作品が投稿されています。特に2011年のアイマス2、アニメ、モバマスの展開は双方ともに大きな影響を与えたことが確認できます。
もっとも、両サービスで投稿数が増えた時期は若干異なり、ニコニコ動画では2011年序盤のアイドルマスター2発売の頃から投稿が増えているのに対して、pixivではモバマスが開始された11月以降の増加が著しく、作品展開が二次創作に与える影響は動画とイラストではだいぶ異なる点が伺えます。
たとえば今年5月の「アイドルマスター ワンフォーオール」の発売はニコニコ動画でははっきり投稿数の増加に影響していますが、pixivではあまり影響していません。双方共通する部分もあるものの、ニコニコ動画では新しい素材としての新作ゲーム映像や楽曲の登場が大きく、pixivでは新キャラクターの登場やキャラクター展開などが二次創作の要因となりやすいのでしょう。
■Amazon.co.jpで購入
この連載の記事
-
第45回
トピックス
AVと言えばアニマルビデオ~動物動画の世界 -
第44回
ゲーム・ホビー
女性提督が審神者に? ニコ動・pixivを席巻する刀剣乱舞人気の現状を調べてみた -
第43回
トピックス
第14回MMD杯と多様化するMikuMikuDanceの現在 -
第42回
トピックス
二次創作のビッグタイトルがひしめく2015年1月期アニメ -
第41回
トピックス
海外からも集まる100万人の「絵師」の遊び場・pixiv -
第40回
トピックス
2014年もニコニコ動画は拡大中 -
第39回
トピックス
恒例!コミックマーケット87とpixivの二次創作人気を調べてみた -
第38回
トピックス
ニコ動をツールとして使う「ニコニコカラオケDB」の世界 -
第37回
トピックス
ニコ動とpixivで調べてみた!2014年秋アニメの二次創作動向 -
第36回
トピックス
現在ニコ動に投稿される動画の1割はmaimaiが占めている -
第35回
トピックス
ニコ動屈指の行動力!車載動画は今日もネットとリアルを繋げている - この連載の一覧へ