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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第38回

ハンドクラフトマーケットともう無くなっては困るSquare

2014年07月04日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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体験はオンラインへと引き継がれるか?

 オンラインでは検索して、簡単に様々な情報にアクセスすることができます。しかし、慣れの問題かもしれませんが、筆者はどうしても、ウェブで見つけた情報だけでは、こうした強いひとめ惚れの感覚までは行きません。

 もちろん、魅力的に魅せるために、美しい写真や紹介のビデオなどの工夫をしていたり、SNSを使って友人にその商品の良さを語ってもらう、といった手法が広がっています。それでも、店へ行ったり、フェアを歩いたりしながら出会う強烈さと比べると、今ひとつ。裏を返せば、ウェブで興味を持ったもの実際に見聞きしたときに、より強く感動できる、という2度楽しめるということでもあります。

 幸い、Feleciai Favrothさんの工房はバークレーの隣町、オークランドにあり、車で20分ほどで行ける距離にありました。ぜひ近々、作っている様子を見に行きたいと思っています。しかし近所に住んでいない人たちにとっては、フェアの場所で見つけたり話をしなければ、次のチャンスを見つけるのは難しいでしょう。

 Squareは、こうしたフェアのような場所やスモールビジネスの決済の場所を拡げられるよう、「Square Market」というECサービスを始めています。クレジット決済機能はカードをスワイプするのと同じように提供しながら、オンラインショップを開設できる機能です。実店舗を運営している個人やお店を、そのままオンラインへ展開でき、前述のようなストーリーの連続性を保つことができるかもしれません。

 企業としてのSquareは、まだまだ利益があがっておらず、難しい局面にあります。しかし多くの人にとって、すでに「無くなっては困るインフラ的な企業」として認識されているように思います。


筆者紹介――松村太郎

 1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。

公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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