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LINEビジネスコネクトとExactTargetをCMO必須のツールへ

セールスフォースとLINEが切り開くマーケティングの未来とは?

2014年06月11日 09時00分更新

文● 大河原克行

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6月10日、東京・六本木の東京ミッドタウンで開催されたセールスフォース・ドットコムのプライベートイベント「Salesforce1 World Tour Tokyo」において、米セールスフォース・ドットコムのリー・ホークスレイ氏と、LINEの上級執行役員法人ビジネス担当の田端信太郎氏による特別対談が行なわれた。

3人に1人から「LINEで電話をくれ」と言われる

 米セールスフォース・ドットコムとLINEが、パートナーシップの締結発表。今回の提携は、この日、日本語版の発売が発表されたばかりの「Salesforce ExactTarget Marketing Cloud」と、無料通話・無料メールスマートフォンアプリ「LINE」とを結びつけることで、LINE上の顧客と企業が、直接つながるモバイルマーケティングソリューションを実現するものになる。

米セールスフォース・ドットコムのSalesforce ExactTarget Marketing Cloud担当 SVP & ジェネラルマネージャーのリー・ホークスレイ氏

 「ようやく、弁護士を交えて契約をする場を作ることができた」と、米セールスフォース・ドットコムのSalesforce ExactTarget Marketing Cloud担当 SVP & ジェネラルマネージャーのリー・ホークスレイ氏は笑うが、創業者であるマーク・ベニオフ氏が、「Salesforce 1はLINEを参考にして開発した」と公言するように、LINEは注目していた企業のひとつであるのは間違いない。

 ホークスレイ氏も、「東京に来るまではLINEを知らなかったが、東京に来るたびに、3人に1人からLINEで連絡してくれといわれる。ようやくそれに慣れてきた」と、日本およびアジアでのLINEの普及率に驚きを隠さない。

「3人に1人からLINEで連絡してくれといわれる」(ホークスレイ氏)

 Salesforce ExactTarget Marketing Cloudは、世界中で1万社を超える企業が利用する、One to Oneデジタルマーケティングプラットフォーム。同社では、マーケッターによるマーケティングプロセス全体を通じた顧客関係の管理、顧客への統一された視点の構築、1対1の関係の大規模な展開を可能にするソリューションと位置づけている。

読んでもらいたい時に読んでもらえるリアルタイム性

 一方で、LINEは約3年前からスタートしたソーシャルメディアサービスで、ユーザー数は全世界で4億5000万人。そのうち、日本では5100万人のユーザー数を持つ。「今年中に、5億人のユーザーを目標にしていたが、涼しくなる前に達成できるだろう」と、LINEの上級執行役員法人ビジネス担当の田端信太郎氏は語る。

LINE 上級執行役員法人ビジネス担当 田端信太郎氏

 LINEの特徴は若年層に高い人気を誇っていることに加えて、利用率が高いという点だ。田端氏は、「日本では約6割のユーザーが毎日使用している。一日に3000~3500万人が使用している。多くのアプリ提供事業者は、ダウンロード数で実績を語るが、実際にはスマートフォンに入っている30~40種類のアプリのうち使われているのは、5つ程度。あとのアプリは、いわば『幽霊部員』。LINEの利用率はきわめて高い」と胸を張る。

 昨今では、低価格のスマートフォンが広がるなか、先進国だけでなく、新興国においても、LINEがキラーアプリになっているという。

 そして、LINEの最大の特徴が、リアルタイム性である。「メールは、読んでもらうまでに半日かかる場合もある。しかし、LINEであればリアルタイムにメッセージを届けることができる。ランチに関する情報を送ろうとすれば、11時59分に送信して、すぐに読んでもらうことが可能。これからランチを食べようというところで送信できる。朝の時間帯にテレビCMを放映したり、チラシを配布するといった訴求方法もあるが、情報が氾濫するなかで、記憶することが難しい時代になっている。朝、頭に入った情報も、昼の重要なタイミングには忘れてしまう。消費するタイミングで読んでもらうことがこれまで以上に大切になる」(田端氏)。

 そして、「リッチで、エモーショナルなメッセージを送信できる」のもLINEの特徴だ。スタンプによって、キャラクターやテレビCMを想起させるようなメッセージを送信できるため、より効果的なメッセージが送信できるという。さらに、「スパムメールがほとんどないというのも、メールとは異なるLINEの特徴のひとつ」(田端氏)だとする。

「エモーショナルなメッセージが送れる。スパムがほとんどない」(田端氏)

 スマートフォンへのメッセージングは、ユーザーとつながるために欠かせない新しいチャネルとなっているのは事実だ。そうしたたなかで、スマートフォンを活用し、ターゲットとしたユーザー層に、最適化したメッセージを送信するために、Salesforce ExactTarget Marketing Cloudを活用することができるというわけだ。

(次ページ、LINEビジネスコネクト導入の敷居を下げたい)


 

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