myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第24回
ニコ動はMMDと音楽中心に多様化、pixivはR-18から物語へ
祝1周年! 艦これ二次創作動向をニコ動とpixivで大調査
2014年04月24日 18時00分更新
pixivでは艦これ作品が毎月1万6000ずつ増加中
艦娘人気は島風一極集中から多様化の時代へ
今回も艦これの二次創作活動が盛んなpixivのデータも見てみましょう。
pixivには現在までに約3万8000名の投稿者によって約15万の作品が投稿されています。調査は第11回と同じく「艦隊これくしょん」または「艦これ」のタグの付いている動画を対象として収集して行ないました。
前回も紹介したとおり初期の投稿作品の増え方はニコニコ動画と似ています。違う点としては11月の限定海域イベントの影響はあまり見られず、むしろコミケ前後の時期の投稿が目立ち、今年1月は月間約2万点のイラストが投稿されました。以降も月間1万6000以上の投稿があります。
閲覧数の中央値は943、評価点中央値は220。1万閲覧以上が1割ほどです。
こうしたpixivでの艦これのイラスト投稿者は8割が男性です。投稿者の6割が性別の情報を公開、2割が性別と年齢の両方を公開しています。両方を公開しているユーザー約8500名についてみてみると、20代前半の男性の投稿者が多く、以下、上の年代に向かってなだらかな山を作っています。女性の投稿者についても20代前後が多いです(グラフを見ると分かるように、小中学生の女の子の投稿者もじつはいます)。
艦これのイラストは主に男性で20代の若者を中心に広い世代で描かれているようです。
艦娘の人気は現在も多様化が進んでいます。一番人気の島風でも3月時点で全体の6%ほどと2位3位と大きな差がなくなっており、いつ入れ替わっても不思議がない状況です(実際4月前半では島風は3位まで転落しています)。
前回調査時にも人気の高かった天龍・金剛・電や、金剛型・第六駆逐隊の艦娘はあいかわらず人気が高いです。また前回の調査以降に順位を上げたのが加賀で、2月には金剛を抜いて2位につけています。加賀は初期は赤城とのカップリングのかたちで描かれていましたが、瑞鶴とのカップリングなども増え、単独で描かれることも多くなって現在は赤城よりよく投稿されています。
少し下位では北上がTwitter等の影響もあって順位を上げていましたが、11月をピークにやや落ちています。ロリコン二次設定の「ながもん」がウケた長門も似たようなカーブをしています。ほか改二の影響もあり夕立・時雨、小説版で取り上げられた影響か不知火が少しずつ順位を上げています。
最初の頃と比べて新規参加艦のイラストが急増する傾向もあり、11月の伊19、1月の大鳳、3月の戦艦レ級、4月の浜風などが目立っています。ただしこれらのキャラも新しさから描かれる部分が大きく、翌月には大きく順位を落としています。
以下にpixivの艦これイラストの主要タグの比率の推移を示しました。前述したとおり島風は現在も一番よく描かれている艦娘ですが、全体からの比率はどんどん減少しており、多様な艦娘が描かれている現状が分かります。
また前回も紹介した艦これイラストのR-18率の低下もはっきりした傾向となっています。初期は2割を超えていた艦これのR-18イラストは、現在は1割以下となりました。
12月に一旦R-18の比率が上昇しているのはコミックマーケット開催の影響と思われます。男性向け同人誌の宣伝などの目的か、イベント前後はpixivにもR-18イラストが増えるようです。4月前半の反転もCOMIC1の開催が近い関係などもありそうです。
もう1つ前回紹介した漫画タグの比率の増加は冬コミ開催の12月にピークを迎え、以降8%ほどで推移しています。前回のカゲプロなどと比較して、ストーリーのある漫画がよく描かれてる傾向があると思われます。
ニコ動ではMMDと音楽中心に多様化、pixivはR-18から物語へ
公式展開もこれからが本番! 艦これ界隈の活気は続く
艦これの二次創作活動は、スタート翌月の2013年5月から始まり、6月から9月にかけて劇的な増加をしました。以降はやや安定しつつ、ゲーム中のイベントやコミケなどの影響で急増する傾向があるようです。
その間、キャラクターの人気は島風中心からさまざまな艦娘へ広く向かっていくようになっています。表現の方法も多様となり、pixivではR-18からストーリー漫画などへの変化、ニコ動ではMMD人気とともにMADやBGMアレンジやオリジナル曲など多種多様な艦これの二次創作が行なわれています。
前回予測していたMMD艦これで100万再生する動画はまだ登場していませんが、艦これオンリーの同人誌即売会も継続して開催されており、この1年で二次創作のジャンルとしてはすでに確固たる位置を占めたのではないでしょうか。
艦娘のフィギュアも発売され始め、アニメ化やVITA版の登場も近づいています。公式のコミカライズや小説も毎月のように発売され好評です。8月にはアニメ化に先駆けてオフィシャルイベントが開催されることも報じられました。
艦これには多数の女性声優が参加していることもあり、今後は公式でCDやラジオの展開、あるいはライブイベントの開催なども考えられるでしょう。夏頃に向けてこうした動きが顕在化するのではないかと思います。
無名の中から人気を広げた春、劇的な暑い夏から始まった艦これ人気は、豊かな秋と冬を越えて再び春を迎え、次の夏に向かって進んでいます。いつ人気が止まるか、などと言われていた時期もありましたが、次の1年も活気のある二次創作活動が続くでしょう。今後も見守っていきたいと思います。
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