4倍の高解像を実現した4Kテレビなら
画質はプラズマテレビを超える?
今度は同じ液晶テレビではあるが、解像度が4倍の4Kテレビについて考えてみよう。
先に紹介したようにプラズマの小画面化は難しい。これは高精細化が難しいという意味でもある。極小の蛍光灯を画素×3本分(フルHDならば約600万個)も並べるわけだから、小さく作るのが難しいというわけだ。
というわけで、4Kプラズマテレビは100インチ超の試作モデルがショーなどで展示されたことはあるが、現実的なサイズでの製品化は最後までなかった。
その意味で高精細化がしやすい液晶は4K化をいち早く実現。業務用機などでは20V型クラスや32V型などの4Kパネルも登場してきている。
4Kテレビの高精細な表示はフルHDソースが主流の現時点でも、映像的にはフルHDよりも優れていると多くの人が感じるだろう。画素が4倍に細かくなることで細かなディテールや色の再現性が高まっている。これは各社が力を入れて研究している超解像技術などによる映像処理の効果も大きい。
とはいえ、現在の4Kテレビも決して万能な存在ではない。まず第一に価格が高い。現行モデルでは1インチ=1万円を下回り、ずいぶんと値頃感が出てきてはいるが、同サイズのフルHDテレビはさらに安い。それでいて、パネルの熟成度が進んでいることもあり、広色域化や直下型LEDバックライトの採用など、4KテレビよりもフルHDテレビの方が技術的には先を進んでいる部分もある。
そのあたりを含めて考えた結果、現状の4Kテレビのオススメモデルはソニーの「KD-55X9200A」(実売価格33万円前後)だろう。広色域を再現するバックライト技術「トリルミナスディスプレイ」を採用しており、エッジ型LEDバックライトながら分割駆動による高コントラスト化も果たすなど、液晶テレビの最新の技術が数多く盛り込まれているモデルだからだ。
超解像技術を含め映像処理回路「4K X-Reality PRO」も、豊富な映像データーベースを使って高精細化を行なうことで、BDソフトなどの高画質映像はもちろん、地デジなどのソースでもノイズを抑えながら見やすい高精細表示が行えなるなど、さまざまな映像にマッチした4K化が行なえる。
ネットワーク機能やスマホ連携などの機能も最新鋭のものとなっているが、もうひとつの大きな特徴が左右に搭載された大型スピーカーだ。音が悪いと評判(?)の大画面テレビとしては画期的に高音質なスピーカーで、映画や音楽ソフトもかなりのレベルの音質で楽しめる。
ただし、4Kテレビは今後ますます進化していくので、春に後継機種が登場するのが目前な現在、購入は慎重に考えた方がいい。
買ってすぐにさらに進化した製品を目にすることになるので、それなりの覚悟は必要だ。メリットと言えるのは価格。
最新モデルはさすがに実売30万円前半とはならないだろうから、少しでも安く4Kテレビを手に入れたいというならば、チャンスは増税前の今しかない。今年の年末に予定される4K放送への対応も、アップデートによりHDMI 2.0に準拠した4K/60p信号の入力に対応済みなので心配は無用だ。
プラズマの画質を継承する!? 有機ELテレビに期待
有機ELテレビは韓国勢が製品化を果たしているが、現在のところはフルHDモデルで、しかも価格が高価なこともあって、国内では発売されていない。
しかし、有機ELは液晶とは異なる自発光パネルのため、液晶が苦手とする広視野角や高コントラストを実現できる。画質的なポテンシャルは極めて高く、おそらくは有機ELテレビが実際に手の届く価格で発売されるようになれば、プラズマどころか液晶テレビも過去のものとなり、有機ELが大画面テレビの主流になるかもしれない。
国内メーカーも有機ELテレビの発売に向けた準備は進んでいるようだが、登場初期はどうしても高価になることもあり、4K有機ELテレビとして製品化される見込みだ。
筆者の個人的な予想でしかないが、パナソニックがプラズマから撤退することを選択できたのも、自社での4K有機ELテレビの発売が現実的になったからではないかと考えている。
もちろん、登場初期はかなり高価なモデルばかりになるし、具体的な商品が登場していないので、購入ガイドで取り上げる話題とも言いにくいが、今後登場する期待の大物であることは確かだ。
次回は今買うならPS4 or PS3?
次回は、最新の「PlayStation 4」を買うべきか、やや買いやすい価格になってきた「PlayStation 3」を買うべきか、ゲーム機としてではない視点で考える。特に、メディアプレーヤーとして考えると……。
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