高コントラストや高い動画応答性など
優れた実力を備えるパナソニック「TH-P55GT60」
では、現在発売されているプラズマテレビはどうだろうか。比較的まだ店頭在庫が残っているスタンダードモデルの「TH-P55GT60」を代表例として詳しく紹介していこう。
表示パネルは「フル・ブラックパネルIV」。ネイティブコントラスト550万:1を実現し、もともと液晶よりも優れていた動画応答性もますます改善され、ぼやけ感のない鮮明な動画を楽しめる。
さらに、新たに純赤蛍光体を採用し、赤色を中心とした色域を大幅に拡大。より豊かな色を鮮やかに再現できる。このほか、映画再生時(画質モード「シネマプロ」を選択時)は、サブフィールドの駆動数を増やすことでより細かな階調表示が可能など、画質的には数々の技術が盛り込まれている。
筆者もパイオニア製のプラズマテレビを今も愛用しているが、プラズマの映像には液晶にはない数々の魅力がある。TH-P55GT60を見ると、特に動画のキレの良さでは大きな進化を感じるし、色合いの豊かさ、緻密な映像の再現などは、55V型で実売20万円ほどの価格のテレビとは思えない実力と感じる。
ちなみに、パナソニックがプラズマから撤退するといっても、今後は新製品が登場しないというだけで、発売された製品のアフターサービスが終わってしまうわけではないし、修理のための部品も発売から8年間はメーカーが備えておく責任があるので、買った後の心配もない。
BDとHD DVDなどのレコーダーの場合はメーカーが撤退してしまうと、再生ソフトも発売されなくなるなどの心配はあるが、大画面テレビの場合は発売されるソフトには影響されないし、地デジもBS/CS放送などもきちんと見られる。
4K放送にしても、ダウンコーバート出力を持つ4K放送用チューナーを追加すれば見られるというのは、液晶テレビと何も変わらない。
最新テレビとしての使い勝手も申し分ない。豊富なネットワーク機能があり、よく使うネットワークコンテンツを組み合わせて使いやすいようにカスタマイズできる「マイホーム」機能を備える。
ネットワークを通じてテレビ放送や録画番組を対応機器に配信したり、逆の別室にあるレコーダーの録画番組をネット経由で視聴するといったDLNAサーバー/クライアント機能も搭載するなど、最新テレビの備える機能は一通り持っている。
人気はイマイチだが、3D表示にも対応する。動画応答性の高いプラズマテレビは、左右の映像を交互に切り替えながら表示しても左右の映像が混ざってしまう二重像(クロストーク)が少なく、自然な立体視ができるというメリットもある。
テレビの売れ筋サイズが32V型から40V型クラスへと移行し、買い換えユーザーは50V型以上の大画面を選ぶ人も増えているという今、もともと大画面テレビとして登場していたプラズマが姿を消すというのは皮肉だが、それだけに大画面を高画質で楽しみたいという人にはプラズマの魅力は大きい。
3月いっぱいどころか、いつ在庫がなくなってしまうかわからないプラズマは今すぐ購入がベストだ。
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