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既存ユーザーは無償でアップデート可能

手書きタブレットenchantMOON S-II発表、スペック変更なし、ソフトを一新して高速に

2014年03月14日 22時45分更新

文● ナカムラ/ASCII.jp編集部

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「ゲンロンカフェ」で開催された内覧会には、タレント、モデルの嘉山楓さんが登場。自らenchantMOONで作成した絵本コンテンツを披露した。

 ユビキタスエンターテインメントは3月14日、手書き特化端末「enchantMOON」に大幅な改善を加えた「enchantMOON S-II」を発表した。

 enchantMOONはAndroid 4.0をベースにした専用設計のOS「MOONPhase」を採用。手書きで入力した文字や絵を「シール」にしてリンクを埋め込むハイパーテキストオーサリング機能や、ビジュアルプログラミング機能を搭載したタブレット端末だ。

「S-II」の名称は、アポロ計画で使用されたサターンV型ロケットの、第二段ロケットからとったもの。発射の段階を経て、さらなる推進力となる期待が込められている。

enchantMOON発売から半年が経ち、清水CEOは「大学生とenchantMOONを使用してコンテンツを制作したところ、思いがけない使い方をしていて面食らう場面も。しかし、HTMLよりも自由な発想で、創造性を発揮する学生が多い」と話し、手応えを感じたようだ。こうして実際にenchantMOONを使ってコンテンツを作る現場に触れることでS-IIのヒントを得たという。

 ハード面での変更は無く、ソフトウェアのアップデートとなる。「動作が重い」「ページめくりで待たされる」「落ちる」といった従来モデルのユーザーの不満を改善した内容となっている。従来ベクトルデータで保存されていたenchantMOONのページデータをラスターベースに変更するなど、ソースコードを0から書き直したという。

 こうした改善により、ハイパーリンクのジャンプやページ送り、ウェブブラウジングなどが高速化された。動作時のオブジェクト数を300万/参照数700万から、6万/50万に低減し、ガベージコレクション(メモリー解放)時間が200msから35msに短縮した。ペンの描画レイテンシーは112msから81msへと高速化し、書き心地が向上したとしている。さらに、YouTubeの動画再生にも対応した。

レイテンシー改善のためにCPU、メモリー等の変更も検討したが、CPUと速度に関連はないという結論に。

S-II主な改善点。

変更点はOSのみ

ユーザーからアンケートを取ったところ、「デザインは従来モデルのままがいい」という声が半数以上を占めたため、筐体は変更しないという。

 enchantMOON S-IIの価格は16GBモデルが4万9800円、32GBモデルが5万9800円。それぞれ従来モデルより1万円高い価格となるが、従来モデルのユーザーは無償でS-IIにアップデートを提供する。発売は2014年4月を予定している。

 さらに清水CEOは、プロジェクト「Gemini」として、HTMLベースのenchantMOONエミュレーターを開発中だと発表した。enchantMOON上で作成したハイパーテキストをPCで閲覧が可能になり、iOSやAndroid上でも動作する。また、GeminiによるエミュレーションでiOS、Android、Windows、Mac上で閲覧可能なenchantMOON専用クラウド「Skylab」も開発中だという。

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