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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第20回

アーケードゲーム人気と動画投稿には密接な関係がある!?

ニコ動とアーケードゲームの熱い関係――絆、BB、戦国

2014年02月27日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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ニコ動以前から長い人気の「戦場の絆」

 「戦場の絆」(「機動戦士ガンダム 戦場の絆」)はバンダイナムコゲームス開発で2006年から稼働しているアーケードゲーム。「機動戦士ガンダム」を題材に、本当にモビルスーツを操縦しているかのような操作画面で、複数人のプレイヤーで連邦軍とジオン軍に分かれて対戦することができるゲームです。

 以前からゲームの人気が高かったこともあり、ニコニコ動画では2007年の初期からプレイ動画がよく投稿されています。これまで1600名ほどのユーザーにより約4万の動画が投稿されています。再生数の中央値は今回紹介する3タグで一番高いですが、これは古い動画が多いこととの関係が強いと思われます。投稿動画数には波があるものの、2008年以来おおむね月に500前後の動画が投稿され続けています。

 「戦場の絆」の動画の特徴としては、前述した「外部出力」による動画がほとんどないことが挙げられます。「戦場の絆」の外部出力映像による動画自体は2007年頃すでに見られますが、筐体そのものがドーム型のスクリーンで外部出力では臨場感がないためか、ビデオカメラやデジカメ等を持ち込んでの撮影が一般的です。

 また2011年のREV.3.04からはYouTubeへのリプレイ動画のアップロード(投稿アカウントは戦場の絆公式のもの)が可能になっていますが、臨場感の薄い映像のためニコ動にそのまま転載している例は少なく、ニコ動ではもっぱらカメラ撮影動画に編集して加える素材用途として使われています。

 動画の内容としてはカメラでプレイ内容を撮影したものや、それに映像編集で演出を加えた動画などがよく見られます。プレイの様子を撮影するため、実況ではありませんがプレイヤーの声が入ることは普通です。逆に音声は消してBGMをつけている動画も多く、またタグが付いていないことが多いですがゆっくり実況のある動画も見られます。

 よく使われているタグはプレイヤーのクラスを示す「Sクラス」「Aクラス」のタグや投稿者名のタグ、使用機体名のタグがあります。

2014年2月時点で視聴可能な「戦場の絆」タグのついた動画の月別の投稿動画数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数。2010年3月に一旦ピークを迎えたあと2011年はじめに減少したが、同年7月に新バージョンのREV.3.00が稼働して投稿数が急増した。ただし月間の投稿者数は投稿ピーク以降減少傾向にある

プレイ動画公認
美麗な外部出力映像が見られる「ボーダーブレイク」

 「ボーダーブレイク」はセガのアーケード用サードパーソン・シューティングゲーム(TPS)。複数人のプレイヤー同士で各自ロボットを操作して敵陣地の拠点を破壊する内容ですが、操作するロボットをカスタマイズできるところが特徴です。「戦場の絆」とは違いオリジナルの世界観が使われています。

 2009年9月から稼働開始、2010年10月からバージョン2の「ボーダーブレイク エアバースト」、2012年10月からバージョン3の「ボーダーブレイク ユニオン」が稼働しています。動画のタグについては英字の「BORDERBREAK」などもありますが、一般に「ボーダーブレイク」が使用されています。

 稼働開始前後から投稿されており、これまで4200名ほどのユーザーにより約8万5000の動画が投稿されています。投稿動画数はやはり波がありますが、月に1500前後の動画が投稿され続けています。

 「ボーダーブレイク」では前述した外部出力を使用した動画が2009年10月頃から出ており、「ボーダーブレイク外部出力」タグの動画は約3万と、同様のタグの中ではもっともよく使われています。録画用の台を用意する店舗なども増え、今ではビデオカメラ等で撮影している動画のほうが珍しく、「ボーダーブレイク外部出力」のタグがついていないケースも多いようです。一部では生放送の配信に対応してる店舗もあり、ニコ生などがされていることもあります。

 「ボーダーブレイク」では2011年に「プレイ動画のご利用について」という規定が公式に出されており、一定のルールの元でのプレイ動画の投稿が許可されています。もちろんこれ以前からプレイ動画の投稿はされていたのですが、そのことがセガ側で好意的にとられた結果でしょう。

 上記のように録画や生放送に対応した台が店舗で設置しやすいのもゲーム会社側のこうした判断の結果と思われます。「ボーダーブレイク」もアーケードゲームとしては息の長い人気となっていますが、その背景にはニコ動などでの動画投稿の影響もあるかもしれません。

 動画の内容としては外部出力したプレイ動画が多いです。上記の規定の関係もあり動画中の画像の加工が避けられているのか、プレイヤーの説明が投稿者コメントで入ってるケースが見られます。

 また第15回で「ゆっくり実況プレイ」を紹介したとき表に載っていたように、ゆっくり実況もアーケードゲームの中では比較的よく投稿されています。外部出力が基本のため、リアルタイムの実況ができず編集前提となるためでしょうか。

 その他、「ボーダーブレイク」の映像を使用したMADも多数投稿されています。

 よくついているタグとしては「ボダ部」「ついったーボダ部」などのコミュニティを指すタグ、「BB砂動画」などプレイスタイルを示すタグ(「砂」はスナイプの意)、「BB-A下位クラス」「BB-Bクラス」などプレイヤーのクラスを示すタグなどがあります。また通常の大戦動画に対してMADや検証動画には「BB-全国対戦以外」のタグが付けられています。

ボーダーブレイク外部出力動画の投稿者の中でも人気の高いプレイヤーのひとり、TOMMY氏の最新のボーダーブレイク動画。初期から実装され時代遅れになっていたクーガーII型の機体をクーガーの新型が出るまで使い続けたことから「クーガーのTOMMY」と呼ばれる。この動画ではひさびさのフルクーガーでのプレイを見せている。

2014年2月時点で視聴可能な「ボーダーブレイク」タグのついた動画の月別の投稿動画数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数。投稿者数をみると2011年に向けて漸増した後、2013年までは毎月500名前後が投稿している。最近は減少の傾向

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