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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 ― 第93回

ついに世界最大の中国キャリアと組んだApple 主戦場は中国に

2014年01月08日 17時00分更新

文● 末岡洋子

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 モバイルを指すものが単なる携帯電話から、スマートフォン、タブレット、そしてスマートウォッチなどのウェアラブル端末と多様化している。とはいえ当面は、ベンダー各社にとって力の入れどころはスマートフォンだろう。2014年も激動は続きそうだが、1月の話題はCES、そして1月中旬に予定されている世界最大のキャリアであるChina Mobile(中国移動)によるiPhoneの発売だろう。昨年末に発表されたAppleとChina Mobileの提携について見ていこう。

契約数はなんと7.6億!
世界最大のキャリアをついに落としたApple

 AppleとChina Mobileの提携は2013年12月22日に発表された。世界では9月に発売開始した「iPhone 5s」「iPhone 5c」をChina Mobileの3G(TD-SCDMA)と4G(TD-LTE)向けに提供するというもので、発売日は2014年1月17日である。同社の4Gサービスは12月18日にスタートしたばかりであり、北京など主要16都市をカバー、2014年には340都市に拡大するとしている。

世界最大の携帯キャリアのサイトにも、ついにiPhoneが

 そのChina Mobileは12月25日に事前予約受付を開始した。約5日後には、調査会社のWedge Partnersが2機種の事前予約台数を10万台と予想している。

 巨大市場中国で最大手であるChina Mobileは、7億6300万人という契約者数を抱える世界最大のキャリアでもある。同社だけで世界のモバイル人口の1割を占めるというから、その規模と影響力は大きい。AppleがChina Mobileとの提携を発表した22日、Appleの株価は3%上昇した。

とはいえ、随分中途半端なタイミングである

 それでもAppleにしてみれば、提携の発表は完璧なタイミングとはいえなかったのではないだろうか。

 キャリアに対して強気なAppleと、世界最大の加入者を強みに持つChina Mobileのことだ。交渉が長引いたのは容易に想像できる。AppleがChina Mobileと話し合いを持っているという憶測は何度も報じられた。

 実際、Apple CEOのTim Cook氏は2013年だけで2度中国を訪問している。8月には、Appleは中国政府からChina Mobileのネットワークについてのライセンスを受けており、iPhone 5s/5cは周波数帯の対応で技術的障害もクリアしていた。さらにいうなら、iPhone 5sで加わったゴールドは中国市場を狙ったデザインのようにも見えた。

 9月のiPhone 5s/5c発表時には、Appleは中国でも別に発表会を持ったことから、ここでChina Mobileとの提携が発表されるという期待があった。もしそうなら、事前予約の台数はWedge Partnersの“5日で10万台”を大きく上回っただろう。というのも、すでにiPhoneを持っている、China Unicom(中国聯通)とChina Telecom(中国電信 )は事前予約だけでそれぞれ12万台と15万台あったのだ。

 あるいは、12月18日の4Gのローンチと合わせて発表される可能性についても、地元メディアで報道が見られた。もし実現していれば、2社ともにインパクトを最大化できたかもしれない。

 ともあれ、まだ発売されていないし、この2機種で成否を占うのは尚早だろう。アナリストの間では、China Mobile効果についての予測はばらつきがあるようだ。Piper Jaffrayは2014年9月までにChina Mobileが貢献するiPhone販売台数を1700万台と予想。多いところではISIの3900万台というものまである。Wedge Partnersは1800万~2000万台の範囲を見ている。

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