ファーウェイのスマートフォンが復活した。2024年の最初の2週、中国市場でファーウェイはシェア首位になったのだ。実に5年ぶりという。米国の制裁により、一時は消滅するのではないかと見られることもあったが、ファーウェイはしぶとく生き延びたようだ。
5年ぶりに中国市場でシェアトップに
ファーウェイが中国で首位復活というレポートを出したのは、Counterpoint Researchだ(https://www.counterpointresearch.com/research_portal/huawei-ascends-to-top-spot-in-first-2-weeks-of-2024/)。それによると、ファーウェイは2024年の最初の2週間、中国市場でシェア1位を獲得したという。ファーウェイが中国市場で1位となるのは2019年ぶりだ。復活と言っていいだろう。
好調な理由として、Counterpointは、2023年秋に発表した「HUAWEI Mate60」、ブランドロイヤリティ、独自OSの「HarmonyOS 4.0」の3つの要因があると分析している。
米中貿易戦争の煽りを受けたファーウェイは、エンティティリストに加えられたことで5Gチップの供給が絶たれた。それまでの同社は子会社HiSiliconを経由して台湾TSMCにKirinチップの製造を委託していたが、これが不可能なったのだ。ソフトウェア側ではGoogle Mobile Services(GMS)の提供が受けられなくなり、独自のHuawei Mobile Services(HMS)を開発した。
チップでは、ファーウェイは中国のファウンドリSMICと提携して製造することに。その成果として、昨秋にKirin 9000を搭載した5Gスマホ「HUAWEI Mate60 Pro」を発表した。また、シェア首位に返り咲いた要因として、2023年12月にローンチしていた「HUAWEI nova 12」も貢献してるはずだ。
そのnova 12は無印/Pro/Ultraと3モデルを揃え、憶測では7nmプロセスで製造された「Kirin 9000S」が搭載されているという。
短期間でここまで到達できたのは、ファーウェイのR&Dの力だけではなさそうだ。Bloombergによると、光学の専門家、チップ装置開発などで構成される政府系投資ファンドが深圳で立ち上がっているとのことだ(https://www.bloomberg.com/graphics/2023-china-huawei-semiconductor/?embedded-checkout=true)。この中には、チップ製造ツールのSiCarrierも含まれていると報告している。
この連載の記事
-
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? -
第331回
スマホ
2023年は世界で5Gが主役になった年 世界の5G契約数は16億に -
第330回
スマホ
iMessageが使えるAndroidアプリが作られ、すぐ遮断 そしてRCS対応 吹き出しの色を巡る攻防 -
第329回
スマホ
10月の世界でのスマホ市場は前年同月比5%増 なんと27ヵ月ぶりで暗黒時代を脱出したかもしれない -
第328回
スマホ
一時はウェアラブルの代名詞だった「Fitbit」が一部の国で販売停止 Pixelにブランド統一か - この連載の一覧へ