粒子の振動がかなでる「未来の音」。振動スピーカーにも期待
京セラ製、薄さ1mmの「ピエゾフィルムスピーカー」を聴いた!
2013年10月01日 21時53分更新
LGエレクトロニクス製の湾曲ディスプレー有機ELテレビへの搭載が話題の「ピエゾフィルムスピーカー」。実は京セラが手がけている。
ピエゾ素子の振動を樹脂フィルムに伝え、音を増幅するという仕組みで、厚みはなんと約1mm。その薄さから、広いデバイスへの搭載が期待される、まさに「未来のスピーカー」だ。
10月1日に開幕したCEATEC JAPAN 2013の京セラブースでは、ピエゾフィルムスピーカーのデモが実施されていた。
まずは通常の、電磁式のスピーカーを視聴。当然ながら、聴き馴染みのある、いつもテレビから聴こえてくる音だ。ちなみにデモには、ジャズ調の楽曲が用いられていた。
続いてピエゾフィルムスピーカーを聴く。一瞬で違いが分かった。高音域が際立っていて、かなり明瞭な印象。ハイハットを刻む音や、音色の細かなニュアンスが聞き取りやすい。
「音質」というのは好みによっても評価が大きく変わるものだが、ピエゾフィルムスピーカーは非常に「テレビ向け」だと感じた。テレビを「媒体を受信するためのもの」ととらえれば、テレビのスピーカーにおいて最も重要なのは「聞き取りやすさ」だ。明瞭で、耳に素直に届いてくる。ピエゾフィルムスピーカーは、そんな音を持っていた。
振動スピーカーの製品化にも期待!
参考品として展示されていた「振動スピーカー」も面白い。ピエゾスピーカーの技術を応用したもので、ピエゾ粒子の振動を設置面(例えば机など)に伝えることで、設置面そのものをスピーカーにしてしまうというもの。
音質的に大きな驚きはなかったが、デモ用のパネルに置いた瞬間に音が鳴り始め、離した瞬間に鳴り止む様子が楽しい。
広報担当者によれば「製品化にはまだまだ課題がある」とのことだが、「壁や窓、机をスピーカーにする」というところまでは実用化済み。「部屋そのものがスピーカーのオーディオルーム」など、面白い応用が期待できそうだ。
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