答えは6匹でした
答えは6匹。地面に4匹。右の塀の上に1匹隠れていて(前ページ冒頭写真がそう。影でわかりにくいけど、いるのだ)、さらに左の自転車カゴにも1匹いるのだ。
いや、私も最初は狭い路地を占有してる4匹の猫を撮ったつもりだったのだけど、よく見るとさらに2匹写っていたという次第。
この狭い路地を降りると海。私は漁港へ行きたかったのでこのまままっすぐ進む。猫たちはぱっと左右に散って私が通り過ぎるのを待つ。
そして振り返ると、1匹だけ戻ってきてへちゃーっとど真ん中で寝てました。行き倒れみたいだけど、違います。単なる夏のバテ猫です。
漁港へ降りて猫写真を撮り(前回の記事を参照)、また戻ってくると、狭い路地のちょっとした凹みに腰かけてうちわであおいでるおばあちゃんがいた。その足下で猫がうろうろしてる。
ここは日陰でそれなりに風が通るので、「自分の家にいるより涼しいけん、ここにいるんよ」といいながらうちわをパタパタしてる。そのうちわも、ここで涼んでたら通りがかった人がくれたんだそうな。
足元に人なつこい猫が2匹ほどまとわりついてて、それを撫でながらちょっと世間話。
おばあちゃんと別れて、さらに斜面の路地をどんどん上っていく。迷いそうになりながら狭い路地をあっちこっちと辿っていくと、小さな頂上に出て、そこから海がよく見える。暑ささえなければかなりの絶景だ。この頂上のあたりは以前から猫がいたのだが、さすがに暑くてどこかに隠れているらしい。
残念だなと思いながら斜面を降りかけると、日陰でぐだーっとバテてる猫発見。こんなところにいたか。
でもバテてるので日陰からは決して出てこない。
遠くに見える海と島をきれいに撮ろうとすると、猫が黒くつぶれちゃって写らない。かといって猫を明るく撮ろうとすると今度は背景の海が白く飛んじゃって何がなんだかわからない。
そういうときはデジカメの「HDR」モードの出番。HDRを使ってダイナミックレンジを広く撮ってもギリギリというほど明暗差が大きなシチュエーションだったので、あとから明るさを修正してみた。
中央に急な斜面の路地、遠くにもやっと見える瀬戸内海とそこに浮かぶ島々、左上には神社の本殿、左下には日陰猫。いろんな要素を詰めこんでみました。1枚にこれだけ詰め込めるなんて贅沢というもの。
地元の人には「こんな何もない土地、もう飽きたじゃろ」と言われるんだけど、これだけの風景があって「何もない」とはとんでもない。何度訪れても飽きないのである。
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筆者紹介─荻窪圭
老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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