このページの本文へ

四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第127回

VOXの新エフェクター「ToneGarage」シリーズの開発チームに聞く

「本物の真空管の音が出る」小型エフェクターが完成したワケ

2013年08月31日 12時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

真空管のストンプボックスが作りたかった

―― 最初にKORGとVOXの関係について教えて下さい。

遠山 VOX Amplificationというイギリスの本体がありまして、そこで上がった企画に対して、基本、デジタル物はKORGのVOX開発チームが受け持つことになっています。あるいは、向こうがキャパ的に出来ないものや、amplugのように、こちらで得意なものを受け持つというスタイルを採ることもあります。KORGの中にVOXの開発チームが存在するということですね。

―― 今回のエフェクターはフルアナログですが、UKでは出来なかったんですか?

遠山 VOX本体で作ろうと思えば作れはするんですが、他にもやらなければならない機種がいくつかあるので、その中での棲み分けをしたということです。

―― 真空管を使ったのはなぜですか?

遠山 もともと「Cooltron」という機種があって、それを置き換える真空管のストンプを、という話は前々からあったんです。それで今回は新しい技術を使って、真空管を高電圧で駆動しようと。200Vに上げるところは、うちのチームの得意なところなので、我々で開発しましょうと。

※ 2004年発売の真空管を使ったストンプボックスシリーズ。真空管を使いながら乾電池で動作した。

西堀 本体のデザインに関してはUKが、グラフィックに関してはUSAですね。

遠山 このアメリカ風な感じは、お店に飾った時も派手に見えることを狙ったところもありますね。

小田 ルックスは好き嫌いが分かれると思うんです。頑丈なキャストボディーなのに、なんでプラスチックみたいに見える塗装なんだろうって。「これじゃアプリの絵だよね」っていうのが最初の意見でしたね。

―― 僕はそこが新しいと思いました。アプリがある時代のリアルなエフェクターとは何ぞやという、マンガみたいな分かりやすさがあって。で、この測定器の山は何でしょう?

実は回路設計担当の李さんが、測定器と共にギターを持って待ち構えていたのだった

これが「Straight 6 Drive」の基板。真空管を使いつつ、コンパクトにまとまっていてカッコいい

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン