ちょっと微妙なバッテリー容量
さて、もう一方のウリであるバッテリー関係はどうだろうか? 前述したが、仕様的にはほぼMiLi Power Notebookと同様だ。しかし、現時点で2400mAhのバッテリーは決して余裕のある容量サイズではない。
ユーザーが超軽量のUSBモバイルバッテリーを望むなら、今ならケーブル込みでも50gを切った商品がある(750~1000mAh)。あえて250gまでの携帯重量を許せるなら、BATERIOの4倍以上の10000~13000mAhのUSBモバイルバッテリーが一般的だ。
BATERIOに推奨の厚さ8mmのA5版SHOT NOTEとiPhone 5用の純正Lightningケーブルを収納して実測してみたら、なんと495gにもなった。
500g近い総重量をどう判断するかはユーザーの目的次第だろう。バッテリーにフォーカスするなら2400mAhで10000mAhのUSBモバイルバッテリーの2倍以上の重さのあるBATERIOは分が悪く、ノートにウェイトを置くかならその選択の自由度が気にかかる。
そして、改めてBATERIOのブローシャーやパッケージを見て、重要なメッセージを見落としていたことに気がついた。
BATERIOのキーワードは「いつものノートにバッテリーをプラス」というメッセージなのだが、ここで言う“いつものノート”というのは、ユーザーが使用している不特定のノートを指すのではなく、キングジムの「A5版SHOT NOTE無線綴じタイプ」のNo.9142モデルだけを指すという理解が必要だったようだ。
筆者のように、デジタルペン専用のリングノートを収納して、ペンと同時にモバイルWi-Fiルーターも出先で充電したいとか考えるユーザーは、BATERIOの想定ユーザーとしては極めて例外的なユーザーなのだろう。
もう少し“ゆるい”仕様の製品がよさそう
筆者は大きく勘違いしていたが、BATERIOはiPhone 5やAndroid系スマホを1台だけ使い、SHOT NOTEをメイン使っている真面目なSHOT NOTEユーザーだけのために“バッテリーをプラス”したノートカバーなのだ。
BATERIOは極めて面白い商品だが、USBモバイルバッテリーを商品の中心に据えたオリジナルメーカーと、自社のノートを商品の中心に置いた国内文具メーカーの姿勢の違いも興味深い。
今後“BATERIO II”を予定されているなら、使途にもう少し幅をもたせたゆるい仕様の商品が出てくると面白いとは思うのだが、そこはバッテリー機能を中心に据えたオリジナルの海外版に期待するほうが正しいのかもしれない。
今回の衝動買い
アイテム:BATERIO
価格:三省堂(神保町)にて6825円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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