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業界人の《ことば》から 第53回

保守的な数字を掲げた中期目標の試金石

東芝のデジタル部門は下期黒字化、これは必ず達成する数字だ

2013年08月20日 08時00分更新

文● 大河原克行

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薄型テレビ、そしてパソコン……

 従来からの「エネルギー」、「ストレージ」に加えて、「ヘルスケア」を3本目の柱に位置づけ、現在4,000億円強のヘルスケアの事業規模を、2015年度には6,000億円、2017年度には1兆円の事業規模に成長させる計画も打ち出した。

 一方で、「再編は急務と認識している」(田中社長)と語るデジタルプロダクツ事業には手厳しい。

 主力のテレビ事業は2年連続で500億円規模の赤字を計上。PC事業も低迷している。

 2013年度第1四半期(2013年4~6月)の連結業績も、テレビ事業は800億円規模の赤字となり、PC事業も営業赤字を計上。7月には、収益改善、事業体質強化を目的としたテレビ事業およびPC事業の構造改革を発表したが、「これは、構造改革の第1弾であり、下期の黒字化に向けては、まだまだ不十分な内容。さらなる固定費の削減と、もう一段踏み込んださまざまな施策が必要である。体制の抜本的見直しなど、聖域を設けず、大胆な構造改革を実施する」と、今後さらなる追加施策を用意していることを明かす。

 田中社長は、2013年10月1日付けで、事業グループ制に再編する大規模な組織改革を実施することにも言及。デジタルプロダクツ事業は、白物家電などを担当する家庭電器事業と一緒になり、コンシューマ&ライフスタイル事業グループとなる。

 コンシューマ&ライフスタイル事業グループは、2015年度に売上高1兆3,000億円を目指すが、その第1歩が2013年度下期のデジタルプロダクツ事業の黒字化となる。

 「デジタルプロダクツ事業の今年度下期の黒字化は必ず達成する」と田中社長。

 まずは、この数値を達成しなければ、中期目標を必達するという言葉には信憑性がなくなる。

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