考え方を変えて……
最強の室内スマホAV環境を構築する!
どうやら、ほとんどのAndroidスマホでは、ハイレゾ音楽データをそのまま扱うことが難しいことはわかってきた。ポータブル環境でのハイレゾ音源再生への道はまだ険しいようだ……。
ということで、ここからは考え方を変更し、屋内において最強のAndroid音楽再生環境を目指してみたい。
(筆者は執念深い性格なので)ここでも考えるべきはハイレゾ音源の再生であるが、USBがダメならばネットワーク経由!ということで、今度はDLNAサーバー配信を試した。
DLNAサーバーは基本的に保存されたデータをそのまま配信するので、ネットワークプレーヤーやAVアンプなどのネットワーク再生で音が出ればハイレゾ再生ができていると考えることができる。
そこでお借りしたのが、パイオニアのAVアンプ「VSA-823」(実売価格4万2000円前後)。5万円を切るエントリークラスの価格帯ながら、各チャンネル160Wの出力を持つ5.1chアンプを内蔵したモデルだ。
さらに4K信号パススルーや、スマホと接続して画面表示が可能な「MHL」に対応するなど、かなり多機能。
そこに、5.1chスピーカーとして「S-LM2」シリーズを組み合わせた。フロントスピーカーに「S-LM2-LR」(ペア、実売価格2万5000円前後)、センタースピーカーに「S-LM2C」(1本、同1万円前後)、リアスピーカーに「S-LM2B-LR」(ペア、同1万4000円前後)、そしてサブウーファーに「S-21W」(同1万5000円前後)という組み合わせで、総額で10万円ちょっととなるシステムだ。
このシステムは、ハイレゾ再生を楽しむだけのシステムというわけではなく、スマホを核とした最強のAVシステムと言うべきもの。
スマホで動画配信サービスを利用し、映画などを再生した場合でも、ばっちり5.1ch再生まで楽しめるというもので、フルセグチューナー内蔵スマホならば、テレビ放送までもカバーできる。BDプレーヤーもCDプレーヤーもなしで多彩なAVコンテンツをスマホでまとめて楽しむスタイルとしては究極と言っていいだろう。
接続の基本はWi-Fi接続またはMHL接続となるだろう。MHLでミラーリングすれば、テレビ放送やゲームの画面もテレビ表示できるし、音楽再生もそのまま楽しめる。しかもMHLは給電機能もあるので、スマホを充電しつつ絵と音を再生できる。画質的にもフルHDだしデジタル音声接続なので、プレーヤーがスマホとは思えないAV環境と言える。
DLNA経由でハイレゾ楽曲の再生に成功
では、いよいよ懸案のハイレゾ再生だ。そのためにはまず、スマホにDLNAサーバーアプリを導入する必要がある。DLNAサーバーアプリ自体は種類がいっぱいあり、無料のものもある。
ここでは、ARROWS NXに初期導入されている「DiXiM for Android」のほか、無料の「MediaServer」を使って試してみた。
結果は成功!! 96kHz/24bitのハイレゾファイルも、192kHz/24bitもばっちり再生できた。
ただし、自宅のAVアンプと手持ちの古いAndroidスマホで試した場合は、再生できたのは48kHzまでで、ハイレゾファイルとなるとAVアンプ側でエラーが出て再生できなかった。
結局のところ、Android端末によってDLNAでもハイレゾファイルの配信はできないモデルもありそうだ。まだまだ道は険しいし、ここまでするならば、ハイレゾファイルをUSBメモリーに転送した方が簡単で汎用性も高いなど、スマホでそこまでするのか!? という人も多いだろう。
だが、可能性としてスマホが最新鋭のハイレゾ再生もできる音楽プレーヤーになるし、映像メディアもフルHDで楽しめるポテンシャルを持っていることが確認できた。
この連載の記事
-
第2回
スマホ
Androidスマホでいい音を! 厳選音楽再生アプリ&イヤフォン -
第1回
スマホ
スマホ8機種でDIGAやソニーBDレコの録画番組を楽しむ! -
スマホ
最新スマホがテレビや音楽プレーヤーに取って換わる!? - この連載の一覧へ