スマートフォン充電レモン電池を作っぞ!
20個のレモンに亜鉛と銅版をブスブス差し込み、スマートフォン充電器を作っていると、部屋いっぱいに広がるレモンの香り。でも机はレモン果汁でベトベトに。ん~、これ会社の会議室なんだけど大丈夫かいな?(編注:もちろん後でキレイに拭きました)
縦横にレモンを並べてひたすら電線をつないでいくと、レモン充電器のできあがりだ。ちなみに写真の横方向が直列つなぎになっていて、レモン5個でワンセットのレモン電池アレイ(5V)となっている。それを縦に並列に4段重ねてある。
さて完成したレモン電池充電器にスマートフォンをつないでみる。うりゃぁーっ! シーン……。もしかして壊れてんじゃね? とスマートフォンの充電機能を確認するも、きちんと動作しているようだ。
問題はレモン電池にある……。電圧は問題ないので、あるとすれば電流だ。そこでテスターで計ってみると0.61mA。
うぉぅ! 20個レモンあっても1mA以下かよっ!
つまりレモン5個を直列につないだ1レモンアレイからは、0.15mAしか取れないということだ。スマートフォンを充電するどころか、スマートフォンの待ち受けたい起電力の1/10以下じゃん。弱っ! あまりにも弱っ!
逆算すると、スマートフォンを低速充電できる500mAを出力するためには、およそ3300アレイが必要になる。1アレイはレモン5個なので、
スマートフォン充電器をレモン電池で作るには1万6500個のレモンが必要という計算だ。
もうね、コストなんて計算しなくても、モバイルバッテリーと100Vのコンセントがいかにスゴくて経済的かを身をもって知ったよ。ということで、失敗で用済みとなったレモンは、哀愁漂わせながらおいしくいただいた。心も舌も酸っぱさでいっぱいだ。
レモン電池を過信せず、控え目な実験を
さて来月になれば夏休み。子どもがいる家庭では夏休みの自由研究を手伝う必要が出る場合もあるだろう。またちびっ子の読者は、自らの手で自由研究しなければならないかもしれない。
もしテーマとしてレモン電池を選ぶ場合は、決してパワーを過信しないことだ。スマートフォンの充電はまずムリだし、模型用のモーターも難しいだろう。確実に動かせるのは、電子オルゴールぐらいだ。またレモンを4つほど使えば、LEDを点灯させたり、小さな太陽電池で動くモーターやスマートフォンのバイブ用モーターもイケるはず。それ以上は高望みしてはいけない。
筆者のように大きな夢を抱き挫折するより、小さな夢をコツコツと積み上げていくといいだろう。
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