気配りが行き届いたデジタルペンの操作性
このように、dynabook V713/W1Jをタブレットスタイルで使っていると、ノートPCとしての不足ではなく、“タブレットPCにしては?”と感じる瞬間がしばしばある。これは、本製品が“パソコン”であることが理由ではある。
前項で“フルHDのおかげでデスクトップが広く感じる”と書いたが、この店に関しては実はデメリットもある。画面が高解像度であるがために、アプリケーションの各種メニューやツールボタン、あるいはウィンドウの「閉じる」ボタンなどが小さくて、大きな指ではタッチしにくいのだ。マウスでポイントすることが前提のWindows系OSゆえの悩みといったところである。
根本的な解決はWindows 8の今後に期待するしかないのだが、この“小さくてタッチしにくい”問題に関して、dynabook V713/W1Jの側でも対策が行なわれている(余談だが、こうしたきめ細かさが日本メーカーのよいところだと筆者はつくづく思う)。タッチパネルが電磁誘導方式を採用しているので、指先だけではなく、先の細い電子ペンでもタッチが可能なのだ。dynabook V713/W1Jには専用の電子ペンが付属しており、これを使えば小さなボタンやアイコンでも確実にポイントできる。ペン先の位置が表示されたり、ペンの傾きや筆圧を感知したりしてくれるので、手書き系のアプリケーションとの親和性が高い。
筆者はあいにく絵は描かないのだが、OneNoteを愛用している。このOneNoteの手書き機能と電子ペンとの相性が抜群によく、思い浮かんだアイデアを手書きで、素早く図や絵にして書き留めるといった使い方ができるのがすばらしい。
これまではiPadとペン先がゴムになっているスタイラスで書いていたのだが、いうまでもなく電子ペンのほうが細かな字や図などが書きやすい。タブレットでメモを取るのが日課になっている筆者としては、たったこれだけでも、dynabook V713/W1Jを選ぶ価値は十分にあると感じる。
◆Photo:03-3以上“dynabook V713/W1Jで、ノートPCとタブレットの2台持ちを置き換えることができるか?”をチェックしてきた。“できる”というのが筆者の実感であり、結論である。おまけに、この本製品にはWindows 8搭載タブレットならではの魅力が存分に詰まっている。“これまでにできたこと”はできるし、“これまでにできなかったこと”もできるdynabook V713/W1Jは、Windows 8の将来を感じさせてくれる1台といえるだろう。