「GR」に「RX1」に「DP2 Merrill」……今高画質コンデジがアツい！ 第1回

フォーサーズよりデカいセンサーのコンデジ6機種をチェック！

オールドカメラっぽさが持つ喜びを演出
富士フイルム「X100S」

オールドカメラを彷彿させるデザイン。サイズは幅126.5×奥行き53.9×高さ約74.4mm。重量はバッテリーメディア込みで約445gで、やや重量感を感じる

　富士フイルムの「X100S」は、この手の大型素子採用コンデジの先駆けである「X100」の後継機だ。

　撮像素子はAPS-Cサイズ約1630万画素で、同社のミラーレス一眼「X-Pro1」と同じ解像度の撮像素子を採用。撮像素子面に位相差検出素子を搭載し、高速にAFが動作する。

　レンズは35mmに相当する23mm/F2.0。最短撮影距離は約10cmと申し分ない。

向かって右上にあるのが「ハイブリッドビューファインダー」。グリップ側のレバーで切り替えができるのでホールディングしたまま操作が行なえる

背面液晶は2.8型（約46万画素）。親指があたる位置には押しこむ動作と左右に動かせるレバー、十字ボタンを兼ねたダイヤルがあり、操作性は良好

いまどき珍しいシャッターダイヤルが備わる。レンズについている絞りリングと合わせて操作感もクラシカルだが、実際に操作するとシンプルな分、使いやすい

電池とメディアは下部に搭載する

ビューファインダーの光学と電子式とを切り替えるレバー。カメラを構えたまま素早く操作できる

AFとMFの切り替えスイッチは側面に。マクロへの切り替えは背面のボタンで行なう

　外観は人気だったX100とさほど変わらない。いかにもカメラらしいクラシカルな雰囲気は、昨今のオールドカメラブームも合わさり、老若男女に人気がある。

　光学ファインダーとEVFを切り替えできる「ハイブリッドビューファインダー」も健在で、雰囲気を楽しみたい人にも、EVFで確実なフレーミングをしたい人にも対応できる。

　光学ファインダーの時には写る範囲よりも一回り広く見えるため、周囲の確認をしやすく、スナップ派の人達にはいまだに大人気の機能だ。

同社の銀塩フィルムを使ってた人ならば大喜びなのがこのフィルムシミュレーション。銀塩フィルムの発色をシミュレートできるほか、カラーフィルター装着時のモノクロも選択可能。また、連写時に自動的に複数のシミュレートが記録できるブラケット機能も備わっている

　シャッター音の切り替え機能があり、「レンズシャッター」「フォーカルプレーンシャッター」「ミラーアップ」「無音」が選択可能。シャッター音もあわせて雰囲気を楽しむことができるデジカメだ。

　雰囲気だけでなく、画質面やAF合焦スピードもトップレベルの出来栄えで、見た目だけでなく、中身も外見も一級品の仕上がりだ。

自然なボケ感にシャープな画質

シャープな画像だが、エッジ強調などなく繊細な描写。素のまま高い解像感の画像が得られる

ボケ方も自然に馴染み、階調幅も広く白飛び、黒ツブレしにくい

遠景はキレのいいシャープな描写。ローパスフィルターのない機種ならでは解像感の高い画像だ

　実売価格は12万5000前後とかなり高価な部類に入る。見た目や中身の性能を考慮すれば当然なのかもしれないが、おいそれと手を出せる値段でないのが残念。

　好みにもよるが、持つ喜びと撮る喜び、撮れた喜びと、カメラで写真を撮ることが楽しく感じられる1台だ。