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業界人の《ことば》から 第40回

アベノミクスは、日本のモノづくりを守れるか

2年連続の巨額赤字、シャープ社員の自信回復のカギとは?

2013年05月21日 09時00分更新

文● 大河原克行

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原点回帰──チャレンジ精神で新しい価値と喜びを提供

 では、高橋次期社長に託された新生シャープとは、どんな企業なのか。そして、どうやってそれを成し遂げるのか。

 ひとつの取り組みは、原点回帰だといえる。

 高橋次期社長は、「シャープの経営信条は、誠意と創意。これはお客様視点の考え方であり、いま一度ここに立ち返り、社員一同、力をあわせて、この厳しい状況からの再生、成長を果たす」と語る。

 同社では、社長人事の発表とともに、2015年度を最終年度とする中期経営計画を発表した。2015年度の業績予想は、売上高が3兆円、営業利益が1500億円、営業利益率は5%、当期純利益で800億円とする。

2015年に1500億円の営業利益を目指す

中期経営計画のキーコンセプト

 この中期経営計画を貫くキーコンセプトとして、高橋次期社長は、「世界の人々に新しい価値と喜びを提供しつづけるために、顧客起点で技術を磨く」とし、「Technology to Customers」のスローガンを掲げる。顧客起点と技術への注力は、まさに創業の原点だ。

 「次の大きな成長のためには、技術の強みだけはでなく、社員全員が前向きなチャレンジ精神を持って、困難や苦難に立ち向かわなくてはならない。これは、創業者である早川徳次の時代からずっと続いている精神。技術を磨き、次の100年の一里塚にしたい」と語る。

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