原点回帰──チャレンジ精神で新しい価値と喜びを提供
では、高橋次期社長に託された新生シャープとは、どんな企業なのか。そして、どうやってそれを成し遂げるのか。
ひとつの取り組みは、原点回帰だといえる。
高橋次期社長は、「シャープの経営信条は、誠意と創意。これはお客様視点の考え方であり、いま一度ここに立ち返り、社員一同、力をあわせて、この厳しい状況からの再生、成長を果たす」と語る。
同社では、社長人事の発表とともに、2015年度を最終年度とする中期経営計画を発表した。2015年度の業績予想は、売上高が3兆円、営業利益が1500億円、営業利益率は5%、当期純利益で800億円とする。
この中期経営計画を貫くキーコンセプトとして、高橋次期社長は、「世界の人々に新しい価値と喜びを提供しつづけるために、顧客起点で技術を磨く」とし、「Technology to Customers」のスローガンを掲げる。顧客起点と技術への注力は、まさに創業の原点だ。
「次の大きな成長のためには、技術の強みだけはでなく、社員全員が前向きなチャレンジ精神を持って、困難や苦難に立ち向かわなくてはならない。これは、創業者である早川徳次の時代からずっと続いている精神。技術を磨き、次の100年の一里塚にしたい」と語る。
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