輸出の後押しがある一方でコスト増の陰も
為替の変動には明暗
円安効果は、電機業界でも追い風になっている。
パナソニックは2012年度の売上高において860億円の効果があったとし、ソニーは、2013年度の売上高の10%増収計画の要因をエレクトロニクス事業での増収とともに、円安効果を見込んでいる。
だが、PC事業においては、円安影響はマイナスに振れそうだ。
東芝は、2012年度第4四半期に、為替の影響を受けて、PC事業で29億円の赤字を計上。「コストの大半がドルベースであり、為替の影響も出ている」とする。2013年も「PCは、円安基調のなかで、絶対に赤字にしないという姿勢で事業を進めていくことになる」と、成長戦略よりも、通期での黒字維持に取り組む考えだ。
富士通も、「PC事業は台数を追わない戦略をとる。為替の影響は、PCの価格アップと、トータルコストの削減で吸収したい」と語る。
富士通が指摘するように、PCは、夏モデル以降、価格への転嫁が想定されている。あるPC業界関係者は、夏モデルでは5~8%程度の価格上昇が見込まれるとする。
アベノミクスによる円安はPC業界には逆風なのか?そして、3本目の矢である成長戦略は、PC業界にどれぐらいの追い風があるのか。「製造業がんばれ!」というメッセージのなかに、「PC業界がんばれ!」という意味がどれほど盛り込まれているのかが注目されよう。
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