“3つのテスト”とは?
では3DMarkを実際に起動してみよう。「TESTS」タブの中には、Windows版3DMarkで利用できる“3つのテスト”が表示されているはずだ。それぞれ「Ice Storm」「Cloud Gate」そして「Fire Strike」と名付けられている。Advanced以上のエディションでは「Ice Storm」と「Fire Strike」には描画負荷を上げた「Extreme」設定も用意されている。特に「Fire Strike Extreme」はマルチGPUシステムに向けた超絶に重いテスト内容となっている。
3つ“も”テストが用意されている理由は、テストごとに評価すべきターゲットデバイスが設定されており、さらにテストごとに利用するAPIが異なるためだ。最新ゲーム向けのGPU性能を見たい場合は「Fire Strike」を使おう。
各テストの違い | |||
---|---|---|---|
テスト | 対象機器 | API | |
Ice Storm | タブレットやスマートフォン | DirectX9 / OpenGL ES2.0 | |
Cloud Gate | ノート/ホームPC | DirectX10 | |
Fire Strike | ゲーミングPC | DirectX11 | |
Fire Strike Extreme | マルチGPUシステム | DirectX11 |
これまではハイエンドからエントリーまで共通のテストでスコアを算出してきたが、テストの内容をハイエンドに合わせるとエントリーの比較がしにくく、逆にエントリーに合わせるとGPU負荷が軽すぎてテストにならない。そこでテストを分割した、という訳である。もちろんPCを駆逐しつつあるタブレットやスマートフォンへ歩み寄った、という業界事情も反映されている。
では、各テストの見どころや特徴をそれぞれ紹介していくことにしよう。
現行システムでは軽すぎる
「Ice Storm」
最も軽い「Ice Storm」は、Android版や今後登場するiOSやWindows RT版と共通の内容になっている。よくある“宇宙戦争モノ”らしいシーンが展開されているが、DirectX9またはOpenGL ES2.0相当のAPIしか使っていないため、描き込みは他のテストに比べ平坦でチープだ。
標準の「Ice Storm」では1280×720ドットで3Dを描画し、画面の解像度に拡大して表示しているため画面の描写も粗いが、Android版および3DMark v1.1.0以降では1920×1080ドットでレンダリングする「Ice Storm Extreme」設定も利用できる(Windows版でExtremeを使うにはAdvanced以上が必須)。
テストは2つのGraphicsテストに、CPUを使ったPhisicsテストで構成される。どのテストも他の2つのテストに比べると内容はシンプルだ。こうした設計から、「Ice Storm」は今どきのPCにとっては大した負荷とならず、スコアの比較がしにくい。そのためPCの性能比較には使えないと考えよう。
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