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グラフィックベンチ「3DMark」徹底解剖 第2回

3DMarkの「Fire Strike」ではなにをテストしている?

2013年05月13日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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 前回(関連記事)では「3DMark」の種類と使い方を解説したが、3DMarkをもっと知るための連載第2回目は、ゲーミングPC、具体的にはビデオカード(GPU)の描画性能を比較するために用意されている「Fire Strike」にフォーカスを当てて解説しよう。このテストではDirectX11のどんな機能が使われ、GPUの何が試されているのかを解説していきたい。

 前回より具体的な話をしたいため、主要なGPUのテストごとの評価もチェックする。そのために準備したハードは以下の通りだ。さらに内蔵GPUの代表として、Core i5-3570K内蔵の「Intel HD Graphics 4000」も評価に加えた。

テスト環境
CPU Intel「Core i5-3570K」(3.4GHz)
マザーボード ASUSTeK「P8Z77M-PRO」(Intel Z77)
メモリー Patriot「PSD38G1600KH」(PC3-12800 DDR3 SDRAM 4GB×4)
ビデオカード GeForce GTX 680(リファレンス)
GeForce GTX 660Ti(リファレンス)
GeForce GTX 650Ti(リファレンス)
GeForce GTX 450(リファレンス)
GeForce 7900 GS(ASUS)
Radeon HD 7970(リファレンス)
Radeon HD 7870(リファレンス)
Radeon HD 7770(リファレンス)
Radeon HD 6850(リファレンス)
SSD Intel「SSDSC2CT240A4K5」(Serial ATA 3.0、MLC、240GB)
OS Windows 8 Professional 64bit版
グラフィックドライバー Catalyst13.4、GeForce 312.22

なぜ「Fire Strike」でないとダメなのか?
「Ice Storm」と「Cloud Gate」では差が出にくい

 ビデオカードに搭載されたGPUの評価には「Ice Storm」や「Cloud Gate」は適さないと前回の記事で解説したが、その理由を実際の数値を出しながら解説したい。まずは前述のハード構成で「Ice Storm」と「Cloud Gate」を動かした際のスコアを比較してみよう。

負荷の軽い「Ice Storm」では内蔵GPUでも4万点以上軽く出せる

 このテストでは現行のミドルクラス以上のGPUでは軽く10万点を超えている点に注目。GTX680とGTX660Tiのスコア比に注目してみると、わずか1%しか差がない。現実のゲームの性能差は明らかにGTX680>GTX660Tiなのに、そのパワー差が小さく評価されすぎている。内蔵GPUとの比率を考えてみても、GTX680はHD4000の3~4倍高速という評価は明らかに小さすぎる。負荷が軽すぎて最新GPUの評価には使えないという理由はここにあるのだ。

「Cloud Gate」では上位GPUの差ははっきりしてきたものの、まだ十分に差がつけられていない

 こちらは「Cloud Gate」のベンチ結果。DirectX10相当だから最新GPUの評価には使えないという点はもちろんだが、こちらも上位GPUのスコア差が小さ過ぎる。AMDのAPU「Aシリーズ」に内蔵されたGPUやモバイル向けGeForceなどの評価には使えるが、現行ビデオカードの評価には負荷が足りない。

 前置きが長くなったが、次のページから「Fire Strike」の各テストの内容を解説していくことにする。

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